前回のブログを少しだけ専門的にお伝えいたします。
ダイエットを始めるとき
多くの人は「体重を減らすこと」だけに目が向きがちです。
しかし本当に大切なのは
まず 自分が“肥満”なのか、“肥満症”なのかを正しく把握すること。
体重が多いだけなのか
それとも脂肪の蓄積によって
血圧・血糖・コレステロールなどに問題が出始めているのか。
この違いを知らずに減量を始めると
必要なケアを見落としたり
逆に無理なダイエットで体調を崩してしまうこともあります。
安全で効果的な減量の第一歩は
「今の自分の身体がどの状態にあるのか」を知ること。
そのために
肥満と肥満症を医学的に区別して理解することがとても重要です。
肥満と肥満症を医学的に明確に区別してみます。
肥満(obesity)
肥満を日本肥満学会では、BMI 25 kg/m²以上と定義します。
BMI=体重(kg) ÷ 身長(m)²です。
ただし
BMI 25以上であっても
それだけで「病気として治療すべき肥満症」とは限りません。
もっとシンプルに表現すると
「肥満」
身体に脂肪が必要以上に蓄積している状態です。
「肥満症」
脂肪の蓄積によって血圧・血糖・コレステロールなどに問題が起きたり
将来病気になるリスクが高くなったりして、医学的に体重を減らす必要がある状態です。
つまり
肥満も肥満症も体重を落とす事が目的ではなくのではなく
肥満と肥満症の目的は脂肪を落とす事です。
肥満は、単に体重が重いことが問題なのではありません。
特に内臓脂肪が増えると
脂肪細胞が大きくなり、炎症を起こしやすくなります。
その炎症がインスリンの効きを悪くしたり
血圧や脂質の異常につながったりします。
こうして健康への悪影響が生じ、医学的に減量が必要になった状態が肥満症です。
肥満は“脂肪が増えた状態”
肥満症は“脂肪が増えたことで健康に悪影響が出て、治療が必要になった状態”です。
肥満症は
体重計や体脂肪計の数字だけを見る病気ではありません。
内臓脂肪が増えて、脂肪細胞が大きくなり
炎症と代謝異常を起こしていることが本質です。
肥満症(obesity disease)
肥満に起因・関連する健康障害を有する
または
健康障害の発症リスクが高く、医学的に減量が必要な状態を「肥満症」と考えます。
日本肥満学会の考え方は下記の様に肥満症は大きく2つに分けて考えます。
① 肥満に起因する健康障害を伴う場合
② 健康障害を伴っていなくても、内臓脂肪蓄積が認められ、減量が必要と判断される場合
という考え方で整理されます。
代表的な肥満関連健康障害には、
- 2型糖尿病
- 高血圧
- 脂質異常症
- 高尿酸血症・痛風
- 冠動脈疾患
- 脳血管疾患
- 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
- 睡眠時無呼吸症候群
- 肥満関連腎臓病
- 運動器疾患
- 月経異常・不妊
- 特定の悪性腫瘍などがあります。
したがって
肥満
BMIを中心とした「身体状態」
肥満症
肥満によって健康障害が生じている
または内臓脂肪蓄積などにより医学的減量介入が必要な「疾患概念」
肥満は“脂肪が増えた状態”。
肥満症は“脂肪が増えたことで健康に悪影響が出て、医学的に減量が必要な状態”。
この違いを理解すると
自分が「生活習慣の見直しで改善できる段階」なのか
「専門家と相談しながら進めるべき段階」なのかがはっきりします。
血圧・血糖・脂質・睡眠・関節などに不調があるなら
それはすでに肥満症の可能性があり
医療的なサポートを受けながら進める方が安全です。
ダイエットは、ただ体重を減らす作業ではありません。
自分の身体の状態を正しく理解し、必要な方法を選ぶためのプロセスです。
あなたの減量が、無理なく、安心して、そして確実に前へ進むために。
まずは「今の自分が肥満なのか、肥満症なのか」を確認することから始めてみてください。


コメント