西洋医学ではアレルギー性鼻炎を
「免疫反応+粘膜の炎症」と説明しますが
中医学ではさらに踏み込み
肺・脾・腎の働き
風・寒・湿などの外的刺激が
どのように体質と結びついて症状を作っているのかを細かく分類します。
同じ鼻炎でも体質が違えば治療が変わる── これが同病異治の視点です。
アレルギー性鼻炎の同病異治
アレルギー性鼻炎は
同じ「鼻炎」という名前でも
鼻水が止まらない人、鼻づまりがひどい人、朝だけ悪化する人など
症状の出方は人によって大きく違います。
中医学では、この違いを
「体のどこが弱っているのか」
「どんな体質が背景にあるのか」 という視点で細かく分類します。
そのため、同じ鼻炎でも治療法が変わる── これが中医学の「同病異治」です。
1. 肺気虚型(肺のバリア機能が弱いタイプ)
● 体の状態(病理)
肺は体の“防御システム”。
肺気が弱ると、外からの刺激(風・冷気)に反応しやすくなり
くしゃみ・透明な鼻水が止まらなくなります。
● 主な症状
- 水っぽい透明な鼻水
- 連発するくしゃみ
- 鼻づまり
- 風邪をひきやすい
- 疲れやすい、顔色が白い
● 悪化しやすい条件
- 冷たい空気
- 風が強い日
● 問診ポイント
- 風邪をひきやすい?
- 鼻水は透明?
- 体力が落ちている?
● 処方
玉屏風散
肺のバリア機能(衛気)を強化し、外からの刺激に負けない体を作る。
2. 脾気虚型(消化力の低下で痰湿が溜まるタイプ)
● 体の状態(病理)
脾(消化器系)が弱ると、水分の処理がうまくいかず
体に“痰湿”が溜まりやすくなります。
その結果、鼻づまりや粘り気のある鼻水が出ます。
● 主な症状
- 鼻づまり
- 白く粘る鼻水
- 食後に鼻が詰まる
- 消化不良、軟便
● 悪化しやすい条件
- 湿気の多い環境
- 食後
● 問診ポイント
- 食後に鼻が詰まる?
- 消化不良や軟便がある?
- 舌に白い苔が厚い?
● 処方
六君子湯
脾気を補い、痰湿を取り除いて鼻づまりを改善する。
3. 腎陽虚型(体が冷えて鼻炎が慢性化するタイプ)
● 体の状態(病理)
腎陽は体を温める力。
これが弱ると体が冷え、肺の働きも弱り、鼻炎が慢性化します。
● 主な症状
- 朝の鼻づまりがひどい
- 冷えると鼻水が出る
- 慢性的な鼻炎
- 冷え性、頻尿、腰の冷え
● 悪化しやすい条件
- 寒い環境
- 朝方
● 問診ポイント
- 朝に鼻が詰まる?
- 冷え性?
- 腰や膝が冷える?
● 処方
八味地黄丸
腎陽を補い、体を温める力を回復させる。
4. 風寒型(冷えによる急性発作タイプ)
● 体の状態(病理)
寒邪(冷え)が肺に入り、鼻水が止まらない状態。
● 主な症状
- 透明で水っぽい鼻水
- くしゃみ
- 鼻づまり
- 寒気、軽い頭痛
● 悪化しやすい条件
- 寒い場所
- 冷たい飲食物
● 問診ポイント
- 風邪のような症状?
- 鼻水は透明?
● 処方
小青竜湯
寒邪を払い、鼻水・鼻づまりを改善する。
👉まとめ
アレルギー性鼻炎は
肺・脾・腎のどこが弱っているか
そして 風・寒・湿などの外からの影響を受けやすいか によって症状の出方が変わります。
中医学では、
- 肺気虚 → 玉屏風散
- 脾気虚 → 六君子湯
- 腎陽虚 → 八味地黄丸
- 風寒 → 小青竜湯
というように、体質に合わせて処方を選びます。
同じ鼻炎でも、体の状態が違えば治療が変わる── これが中医学の同病異治です。
症状は“結果”であり、原因は人それぞれ。
中医学は、その人の体がどんな状態で
何が乱れているのかを丁寧に見つめます。
同病異治という考え方は
鼻炎を「あなた自身の体質」として理解するための大切なヒントです。
病名にとらわれず、体の状態を整える
── その視点が、改善への道を静かに開いていきます。


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