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子宮について

子宮の1番の機能は、子宮内膜に着床した受精卵を発育させることです。
子宮は妊娠を目的とした臓器になります。
月経が毎月起こるのは、妊娠に向けて準備した子宮内膜へ受精卵の着床が無かったために、剥がれ落ちることで月経が起こります。

今回は子宮自体の構造についてまとめていきます。

目次

子宮の大きさはどのくらい?

大人の女性では子宮はニワトリの卵ほどの大きさになります。
長さは7cmほどで、重さは60~70gなのでLサイズの卵ほどの重さになります。(次回、卵を手に取った時、「ああ、子宮ってこのくらいなんだな。」と、思い出してみてください。子宮としてみるときは卵の細くなっているほうを下にして見てくださいね。)

子宮は大きく2つに分かれます。

子宮は上2/3を子宮体部(卵の上2/3ですね)と言い、下1/3を子宮頸部と言います。


子宮体部の上側を子宮底と言い、子宮体部の内側の空間を子宮腔と言います。
子宮の内側は内膜と接する部分になり、妊娠の際に着床し胎児を育てていく場所になります。

また、子宮体部の子宮内側(子宮腔)から外へむかって、子宮内膜・子宮筋層・子宮漿膜と層をなし子宮の壁を作っています。着床に不利となってきます子宮筋腫や子宮腺筋症はこの部分にできることが多いです。

子宮頸部には子宮体部の子宮腔から膣につながる子宮頸管があります。
子宮頸管の子宮腔側(上部)を内子宮口、膣側(下部)を外子宮口と言います。
お産の時に出産へ向け子宮口が開いているねといわれるのは膣側の外子宮口になります。

子宮はおじぎをしている?

子宮は前屈と言って子宮底(子宮の上側)は子宮頸部より前に少し倒れています
また、子宮頸部も前傾といってやはり前に傾いています。
子宮頸部の前傾については、教科書にも前傾と書いてありますので、前傾の方ももちろん居ます。
ですが、人によっては後傾(もしくは前傾がおだやかといった理解でもよいかと思います。)しているかたも居ます。

後傾と前傾の違いは何か?

実は、子宮と子宮頸部の間くらいの位置に仙骨と子宮をつなぐ仙骨子宮靱帯があります。
骨盤のゆがみがある場合、仙骨が後ろに少し飛び出てしまっている方がおります。
その場合、仙骨が飛び出している分子宮頸部が少し引っ張られてしまいます。
そのために子宮頸部が前傾してしまうのです。

現在の教科書には子宮は前傾前屈と書かれていますので、前傾前屈の子宮を持った女性が多いということです。
以前は後傾前屈の子宮の持ち主も多くいました。
ですがだんだんと前傾前屈の子宮の方が増えてきた結果として教科書にもそのように記載があるのだと思います。

骨盤のゆがみ妊娠中のマイナートラブル(腰痛)に記載したように、足腰の筋力の弱りも関係しています。
たくさん歩くことやしゃがんで雑巾がけをしたり掃除をしたり、便利な道具をあえて使わずに自分の身体をたくさん使い足腰を鍛えておくことも日々の健康づくりにはとても大切だなあ。と改めて感じています。

80代男性の鍼灸の患者様でブリーダーを現役でなさっている方が良く仰るのは、面倒だけどそれをわざわざやるんだ。
と言って日々のお仕事に励んでおられます。
いつも背筋はピンと真っ直ぐで歩くスピードも速くしゃきしゃきとされています。
鍼灸に来てくださるたびに私も見習わなくてはなあと思います。

子宮は膜に覆われている?

子宮は腹膜といって表面が滑らかで液体で湿った状態の薄い膜に覆われています。
この表面に湿り気のあり滑らかな腹膜に覆われていると、摩擦の軽減になるので体内で臓器が動く場合にスムーズに動けるようになります。

腹膜には子宮のどの部位を覆っているかで細かく名前がついています。
子宮体部を覆う膜は子宮漿膜と言い、子宮の側面から骨盤壁を覆う腹膜をを子宮広間膜と言います。実際に子宮に接しているのは子宮漿膜のみになります。

子宮漿膜は子宮全体を覆い、そのまま子宮の前面(お腹側)にある膀胱を覆い、後ろ側(背中側)は直腸を覆うように繋がっており、腹腔全体を覆う腹膜を形成します。

子宮内膜症と関係の深いくぼみ

子宮全体を覆う子宮漿膜は、膀胱や直腸までつながっており、その膀胱と子宮の間のくぼみを膀胱子宮窩、子宮と直腸の間のくぼみをダグラス窩といいます。

子宮内膜症はこのダグラス窩に最も多く発生します。その次に卵巣(卵巣チョコレート嚢胞)、子宮漿膜にも出来ます。ダグラス窩にできた子宮内膜症の有無は内診(膣に指や器具を入れて子宮を調べる)や直腸診を行い判断します。

※内膜症の内診で確認するポイント:ダグラス窩にできた内膜症の場合(子宮の後屈や可動性の制限の有無、子宮後面やダグラス窩の硬さの有無、また膣の付け根の辺りから子宮と仙骨を結ぶ靱帯の硬さの確認)、卵巣チョコレート嚢胞の場合(痛みを伴った動きの悪い卵巣を確認)。

内膜症は内診で硬さを確認することが多いことからも、血液の流れが悪くなっていることが想像できます。鍼灸治療や漢方治療においても、いかに血液を流れの悪い部分へ血液を届けていくかが大切なポイントとなります。

子宮に栄養を届ける血管を包む膜

子宮の周りにある血管(動脈・静脈)やリンパ管、尿管などを包む膜が子宮広間膜になります。また、子宮の側面から骨盤までを包んでいるので卵管や、子宮や卵巣を正しい位置に保つ靱帯や筋肉をも包んでいます。ちなみに卵巣は子宮広間膜に包まれずにお腹の中に飛び出しています。

鍼灸治療でお体を診させていただいている際に感じることですが、子宮の血流の悪い方(瘀血タイプ)だけでなく、体の乾燥(陰虚タイプ)の方にも下腹部のチクチクとした痛みを感じる方がいらっしゃいます。子宮を包む膜の表面は薄い液体に覆われていますので、陰虚タイプ(体の乾燥タイプ)ですと、その液体が少なくなることにより摩擦が強くなり、チクチクとした痛みを生じるのではと思います。

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この記事を書いた人

埼玉県羽生市にある漢方薬局・鍼灸院 眞健堂です。
眞健堂は1987年、埼玉県羽生市に漢方薬局として開業いたしました。
2021年より鍼灸院を併設。
「眞ごころをもって、地域の皆様の健康をサポートする」ことをモットーに、地域の皆様が、抱えている不調から解放され、毎日をもっと楽に、楽しく、豊かに過ごしていけるように寄り添い続けます。

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