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TNF-α・IL-1β・IL-6・RBP4 内臓脂肪の炎症が血糖値を上げる科学的な理由

内臓脂肪は

ただの脂肪のかたまりではありません。

体の中で炎症性サイトカインを放出し

代謝を左右する“内分泌・免疫臓器”として働いています。

この内臓脂肪が肥大すると

炎症が慢性化し

インスリンの働きが弱まり

血糖値が上がりやすい体質へと変わっていきます。

内臓脂肪は単なる脂肪の貯蔵庫ではなく

炎症性サイトカインを放出する内分泌・免疫臓器

内臓脂肪が肥大して

過剰な炎症性サイトカインを放出すると

インスリンの働きを阻害して

血糖値の上昇につながります。

まず

正常なインスリン作用

まず正常状態を理解すると

内臓脂肪肥大化による炎症がどこを邪魔するのかが分かります。

下記の事を理解する為の専門用語の説明

インスリン=「血液中の糖を細胞に入れてください」という指令

インスリン受容体=その指令を受け取るアンテナ

インスリン受容体基質=インスリンの指令を細胞内へ伝える伝達経路

GLUT4=糖を細胞内へ運ぶ入口

肥大した内臓脂肪から出る炎症性物質は

インスリンの指令を受け取る仕組みから、糖を細胞内へ入れるところまでを邪魔する

インスリン

   ↓

チロシンキナーゼ活性 

  ↓

インスリン受容体(IR)

   ↓

インスリン受容体基質(IRS)

     ↓

血糖輸送体であるGLUT4が細胞膜へ移動

   ↓

GLUT4が血液中のブドウ糖を細胞内へ

   ↓

血糖値低下

インスリンが受容体に結合すると

受容体のチロシンキナーゼ活性を介して

インスリン受容体基質が活性化され

糖輸送体であるGLUT4が細胞膜へ移動し

血液中のブドウ糖を筋肉細胞の中へ取り込むことができます。

目次

内臓脂肪の肥大が血糖値を上昇させる仕組み

内臓脂肪の肥大

      ↓

脂肪細胞のストレス・遊離脂肪酸↑

      ↓

マクロファージなどが活性化

      ↓

TNF-α・IL-1β・IL-6・RBP4 の増加

      ↓

① インスリン受容体⇒インスリン受容体基質の働きを邪魔する

② インスリンのシグナルを弱くする    

③ 糖輸送体であるGLUT4の細胞膜移動を減らす             

      ↓

筋肉・脂肪細胞へのブドウ糖取り込み低下

      ↓

血糖値の上昇

      ↓

膵β細胞がインスリンをさらに分泌

      ↓

高インスリン状態

      ↓

長期化するとβ細胞にも負担

      ↓

インスリン分泌能低下

      ↓

さらに血糖値上昇


TNF-αはどこを邪魔する?

TNF-α

 ↓

インスリン受容体基質の異常なセリンリン酸化

 ↓

インスリン受容体基質がインスリンシグナルを伝えにくくなる

 ↓

糖輸送体GLUT4の細胞膜への移動低下

 ↓

ブドウ糖取り込み低下

 ↓

血糖値上昇

TNF-αはJNKやIKK/NF-κBなどを介して

インスリン受容体基質1のセリンリン酸化を増やし

インスリン受容体からインスリン受容体基質への正常なシグナル伝達を妨げます。

さらにTNFαは

インスリン受容体、IRS-1、GLUT4の発現低下も報告されています。

つまり

TNF-αは

血糖値が高いですよと言うインスリンの指令を

細胞内に伝える伝令役インスリン受容体基質を邪魔する


IL-1βは?

IL-1βもTNFαと同じように炎症を介してインスリン作用を悪くします。

IL-1β

 ↓

インスリン受容体基質の数を減らす

 ↓

GLUT4の膜移動減少

 ↓

ブドウ糖取り込み減少

 ↓

血糖上昇

脂肪細胞では

IL-1βがインスリン受容体基質の発現を低下させ

インスリン刺激によるGLUT4の細胞膜への移動を減少

IL-1βは膵β細胞そのものにも関係します。

慢性的な代謝ストレス・炎症環境では

IL-1βなどの炎症性シグナルがβ細胞機能障害に関与

IL-1βは

「インスリンを効きにくくする」+「β細胞を炎症環境にさらす」

という二方向から血糖値を上昇させてしまいます。


IL-6は?

IL-6もインスリンシグナルを弱める方向に働きます。

IL-6

↓

インスリンシグナル抑制

 ↓

インスリン受容体基質の働き抑制

 ↓

GLUT4による糖取り込み抑制

 ↓

インスリン抵抗性

↓

インスリンが有っても働きにくい

IL-6は

インスリンのシグナル伝達に必要なインスリン受容体基質の数を減らし

糖の輸送体であるGLUT4の数を減らす事により

血糖値の上昇を招いてしまいます。

RBP:Retinol Binding Protein =レチノール結合タンパク

RBP上昇

 ↓

インスリン受容体基質の活性阻害

 ↓

GLUT4の膜移動 低下

 ↓

糖取り込み低下

 ↓

血糖値の上昇


RBP4は下記の流れで炎症のループも形成します。

RBP4

 ↓

TLR2 / TLR4

 ↓

MyD88・NF-κB

 ↓

炎症

 ↓

TNF-α・IL-6分泌


膵β細胞はどうなるのか?

内臓脂肪肥大化の初期

内臓脂肪肥大

 ↓

炎症+インスリン抵抗性

 ↓

インスリンが効きにくい

 ↓

血糖上昇となります。

すると膵β細胞は、

「インスリンが効かないなら、もっとインスリンを出そう」と対応します。

インスリン抵抗性

      ↓

β細胞がインスリン分泌up

      ↓

高インスリン状態

      ↓

しばらく血糖を正常に維持

つまり初期には

β細胞が頑張ることで血糖値を何とか正常に近づけています。

ところが、この状態が長く続くと

高血糖+遊離脂肪酸+炎症がβ細胞への負担になります。

インスリン抵抗性

      ↓

β細胞へのインスリン要求量up

      ↓

さらにインスリン分泌

      ↓

高血糖+脂肪酸+炎症

      ↓

β細胞機能低下

      ↓

インスリン分泌不足

      ↓

血糖さらに上昇


内臓脂肪が原因の2型糖尿病の発症

「内臓脂肪→糖尿病」を一本につなぐと

内臓脂肪が増える

↓

脂肪細胞が肥大・ストレス状態になる

↓

マクロファージなどが集まり炎症が起こる

↓

TNF-α・IL-1β・IL-6・RBP4などが増える

↓

インスリンシグナルが邪魔される

インスリン受容体
→ インスリン受容体基質の働きと数の低下
→糖輸送体である GLUT4の働きと数の低下

↓

GLUT4が細胞膜に移動しにくくなる

↓

筋肉・脂肪細胞がブドウ糖を取り込みにくくなる

↓

インスリン抵抗性

↓

血糖値が上がる

↓

膵β細胞がインスリンを増やして頑張る

↓

長期化するとβ細胞も疲弊・機能低下

↓

さらにインスリンが不足する

↓

高血糖が進行する

内臓脂肪が原因で糖尿病を発症した場合は

肥満症では単に脂肪を減らすのではなく

内臓脂肪を小さくして炎症を減らす事が重要です。


内臓脂肪が増えると

脂肪細胞のストレスと炎症が高まり

 TNF-α・IL-1β・IL-6・RBP4 といった炎症性サイトカインが

インスリンのシグナル伝達を次々と妨げます。

その結果

筋肉や脂肪細胞がブドウ糖を取り込みにくくなり

糖値が上昇します。

初期は膵β細胞が必死にインスリンを増やして補いますが

 高血糖・脂肪酸・炎症が続くと β細胞そのものが疲弊し

インスリン分泌が追いつかなくなります。

つまり

内臓脂肪の肥大は

“インスリンが効かない体”と“インスリンを作れない体”の両方を進行させ

2型糖尿病の根本原因となります。

糖尿病を防ぐためには

体重を減らすだけでは不十分で

内臓脂肪を小さくし、炎症を減らすことこそが本質的な改善につながります。

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この記事を書いた人

埼玉県羽生市にある漢方薬局・鍼灸院 眞健堂です。
眞健堂は1987年、埼玉県羽生市に漢方薬局として開業いたしました。
2021年より鍼灸院を併設。
「眞ごころをもって、地域の皆様の健康をサポートする」ことをモットーに、地域の皆様が、抱えている不調から解放され、毎日をもっと楽に、楽しく、豊かに過ごしていけるように寄り添い続けます。

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