味覚と中医学の関係
中医学
五臓が五味を主るとされ
味覚異常は特定の臓腑の失調を反映すると考えます。
味の変化 | 関連する臓腑 | 主な病理 |
口苦(苦味) | 肝・胆 | 肝胆火旺、湿熱 |
口甘(甘味) | 脾・胃 | 脾胃湿熱、食滞 |
口酸(酸味) | 肝・胃 | 肝気鬱結、胃熱 |
口鹹(塩味) | 腎 | 腎虚、腎陰不足 |
口辛(辛味) | 肺 | 肺熱、陰虚火旺 |
口臭 | 胃・腸 | 胃熱、食滞 |
口膩(粘つく) | 脾・胃 | 脾虚、痰湿 |
目次
味覚障害・口味異常の分類
① 口苦(苦味)— 肝胆湿熱
🔹 病理
- 肝胆の湿熱が上昇し、胆汁の異常分泌による苦味が発生
- 怒りやすい、胸脇苦満、口が苦い、黄苔、便秘または下痢
🔹 悪化条件
- 油っこい食事、ストレス、飲酒、夜更かし
② 口甘(甘味)— 脾胃湿熱
🔹 病理
- 脾の運化失調により、湿熱が生じて甘味を感じる
- 食後に甘味が強くなる、食欲不振、腹部膨満感、黄色い舌苔
🔹 悪化条件
- 甘いもの・脂っこいものを食べすぎる
- 運動不足、ストレス
③ 口酸(酸味)— 肝気鬱結・胃熱
🔹 病理
- 肝気鬱結が胃に影響し、胃酸過多になり酸味を感じる
- 胸脇の張り、ゲップ、胃の痛み、舌苔黄厚
🔹 悪化条件
- ストレス、怒り、揚げ物・酸味の強い食事
④ 口鹹(塩味)— 腎虚
🔹 病理
- 腎気不足による津液の異常代謝
- 腰膝酸軟、耳鳴り、倦怠感、舌淡、脈細
🔹 悪化条件
- 過労、加齢、腎虚を悪化させる生活習慣
⑤ 口辛(辛味)— 肺熱・陰虚火旺
🔹 病理
- 肺の熱や陰虚による火が上昇し、辛味を感じる
- 口乾・咽痛・咳・舌紅・寝汗
🔹 悪化条件
- 乾燥した環境、辛い食べ物、過労
⑥ 口臭 — 胃熱・食滞
🔹 病理
- 胃熱が強い、または食滞により腐敗臭が生じる
- 食後に悪化、舌苔黄厚、口渇、便秘
🔹 悪化条件
- 刺激物の摂取、暴飲暴食、ストレス
⑦ 口膩(粘つく)— 脾胃湿滞
🔹 病理
- 脾の運化機能低下により湿邪が停滞し、口が粘つく
- 食欲不振、体が重だるい、軟便、舌苔白膩
🔹 悪化条件
- 甘いもの・油っこいものの摂取、運動不足
まとめ
味覚異常は単独の症状ではなく、五臓の機能失調による反応
✔ 問診のポイント
- 味の異常はいつから?
- どのような状況で悪化する?(食後・空腹時・ストレス時)
- 他の症状(口渇・便秘・腹部不快感・咳・倦怠感)があるか?
- 生活習慣(飲食・睡眠・ストレス)
ご相談お待ちしています。
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