中医学では、血証(出血症状)は「血が脈外へ漏れる病態」
血熱・気虚・瘀血・陰虚・寒凝などが主な原因となります。
出血部位(鼻血・喀血・吐血・便血・血尿・紫斑など)と、原因を分析
適切な治療を行います。
血と五臓の関係:脾は統血を主る・肝は蔵血を主る・心は血脈を主る
瘀血と出血 瘀血は血の滞りだけではなく出血の原因でもある。
目次
血熱妄行(熱による出血)
📌 病理・特徴
- 熱が血を駆動し、血脈を損傷して出血
- 出血は鮮紅色・量が多い
- 鼻血・喀血・吐血・便血・尿血などの急性出血
- 顔が赤い・のぼせ・イライラ・口渇
- 便秘・尿が濃い・舌紅・脈数
📌 悪化条件
辛辣な飲食・ストレス・発熱・暑さ
📌 問診のポイント
- 五志(七情):ストレス、怒りっぽいか
- 六淫(熱邪):発熱、のぼせ、口渇
- 舌・脈診:舌が赤く、脈が速い(数脈)
気虚不摂(気虚による出血)
📌 病理・特徴
- 気が不足し、血を統摂できずに漏れる
- 出血は淡紅色・少量・長期間続く
- 息切れ・疲労感・倦怠感・めまい
- 顔色が蒼白・動悸・食欲不振
📌 悪化条件
過労・長期間の病気・栄養不足
📌 問診のポイント
- 五臓(脾):食欲不振、胃腸虚弱
- 陰虚 or 陽虚の症状:疲れやすい、冷えの有無
- 脈診:細弱、無力
瘀血内阻(瘀血による出血)
📌 病理・特徴
- 瘀血が血脈を塞ぎ、血が漏れ出る
- 暗紫色の出血・血塊を伴う
- 下腹部の痛み・押すと痛む(拒按)
- 舌が紫暗・瘀点・脈は渋滞
📌 悪化条件
冷え・運動不足・外傷
📌 問診のポイント
- 瘀血の症状:暗紫色の血、血塊
- 冷え・ストレスとの関係
陰虚火旺(陰虚による出血)
📌 病理・特徴
- 陰虚 → 虚熱が生じ、血脈を損傷して出血
- 出血は少量・長引く・色は鮮紅
- ほてり・寝汗・口渇・動悸
- 舌紅・少苔・脈細数
📌 悪化条件
夜更かし・過労・辛いものの過剰摂取
📌 問診のポイント
- 陰虚の症状:ほてり、寝汗、口渇
- 五臓(腎):腰膝のだるさ、耳鳴り
寒凝血瘀(寒邪による出血)
📌 病理・特徴
- 寒邪が血脈を収縮 → 瘀血 → 血脈が破れて出血
- 出血は暗色・血塊が多い
- 四肢の冷え・顔色蒼白・痛みが強い
📌 悪化条件
寒冷環境・冷たい飲食・冬季
📌 問診のポイント
- 六淫(寒邪):寒さで悪化するか
- 陽虚の症状:冷え性、手足が冷たい
まとめ
タイプ | 主な症状 |
血熱妄行 | 鮮紅色の出血・のぼせ・口渇 |
気虚不摂 | 淡紅色の出血・疲労・息切れ |
瘀血内阻 | 暗紫色の血・血塊・痛み |
陰虚火旺 | ほてり・寝汗・長引く出血 |
寒凝血瘀 | 冷え・暗色の出血・血塊 |
👉 出血の色・量・体質を確認し、適切な処方を選びましょう! 😊
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