中医学では
脱毛:髪が抜ける・薄くなるは主に肝・腎・脾・血・気・陰陽の失調と関連すると考えます。
脱毛の病理・症状・悪化条件・問診ポイントを整理し、
それぞれのタイプに適した解説をしていきます。
目次
1. 脱毛の中医学的分類と処方
型 | 病理・病因 | 主な症状 | 悪化条件 | 問診のポイント |
血虚型(肝血不足) | 肝血が不足し、髪に栄養が行き渡らない | 髪が細くなる・パサつく・目の疲れ・めまい | 過労・睡眠不足・月経過多 | 目の疲れ、爪の状態、生理の状態 |
腎虚型(腎陰 or 腎陽不足) | 腎精不足により髪の成長が弱まる | 早期の白髪・腰痛・足のだるさ・耳鳴り | 加齢・過度の性交・冷え | 腰の痛み、夜間尿、耳鳴り |
気血両虚型(脾胃虚弱) | 気血の生成が不足し、髪に栄養が届かない | 髪が抜けやすい・倦怠感・食欲不振 | 消化不良・長期間のストレス | 食欲の有無、疲れやすさ |
瘀血型(血行不良) | 瘀血が毛根に滞り、髪の成長を妨げる | 頭皮が硬い・抜け毛が多い・皮膚が暗い | ストレス・冷え | 頭皮の硬さ、冷え、肩こり |
湿熱型(湿邪+熱邪) | 湿熱が毛根を塞ぎ、髪の成長を阻害 | 頭皮の脂っぽさ・フケ・炎症・かゆみ | 油っこい食事・甘いもの・湿気 | 頭皮の状態、食生活、胃腸の調子 |
肝鬱型(ストレス性) | 気滞により血流が悪くなり、髪に栄養が届かない | 円形脱毛症・ストレス時に悪化・イライラ | 精神的ストレス・緊張 | ストレスレベル、気分の浮き沈み |
2. 各タイプの詳細と処方の構成
① 血虚型(肝血不足)
病理・症状
- 血が不足し、髪に栄養が届かない
- 髪が細くなり、パサつき、目の疲れ、めまい、爪が割れやすい
- 女性は月経過多や無月経がある場合も
② 腎虚型(腎陰 or 腎陽不足)
病理・症状
- 腎精不足により髪の成長が弱くなる
- 髪が抜けやすい、早期白髪、腰痛、足のだるさ、耳鳴り
③ 気血両虚型(脾胃虚弱)
病理・症状
- 気血の生成が不足し、髪に十分な栄養が届かない
- 抜け毛が増え、倦怠感、食欲不振、顔色が悪い
④ 瘀血型(血行不良)
病理・症状
- 瘀血により毛根への血流が滞る
- 頭皮が硬く、髪が抜けやすい、顔色が暗い
⑤ 湿熱型(皮脂過多)
病理・症状
- 湿熱が毛穴を塞ぎ、髪の成長を妨げる
- 頭皮が脂っぽい、フケ、かゆみ、炎症
☆まとめ
中医学では、脱毛の原因を体質別に分析し、適切な処方を選ぶことが重要です!
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