中風の病因:「風・火・痰・瘀・虚」に関連
五臓・五志・六淫・七情・陰陽・痰飲・瘀血の視点から問診
目次
1. 肝陽上亢型(かんようじょうこうがた)
病理
- 肝腎陰虚(肝・腎の陰が不足)
- 陽気が抑えられず、上昇して風を生じる
症状
- 頭痛・めまい・顔面紅潮・高血圧
- 手足のしびれ・ふるえ・怒りっぽい
- 目が充血・耳鳴り・口が苦い
悪化条件
- 怒り・ストレス・寝不足・アルコール
問診のポイント
- 「最近、怒りっぽくなっていませんか?」(五志:怒)
- 「めまいや耳鳴りはありますか?」(肝火上炎)
2. 瘀血阻絡型(おけつそらくがた)
病理
- 血行不良(瘀血)により経絡が詰まる
症状
- 片側麻痺・しびれ・口舌のもつれ
- 舌が暗紫色・舌苔が黒っぽい
- 冷え・血圧が高め
悪化条件
- 冷え・長時間の同じ姿勢・運動不足
問診のポイント
- 「舌の色が暗くなっていませんか?」(瘀血)
- 「しびれや冷えはありますか?」(血行不良)
3. 痰湿閉阻型(たんしつへいそがた)
病理
- 痰湿(ドロドロした水毒)が詰まり、気血が巡らない
症状
- 意識混濁・顔色がくすむ
- 口が粘る・舌苔が厚い・痰が多い
- めまい・動作が鈍い
悪化条件
- 油っこい食事・運動不足・湿気の多い環境
問診のポイント
- 「痰が多くて、口の中が粘つきませんか?」(痰湿)
- 「天気が悪いと体調が悪くなりますか?」(湿邪)
4. 陰虚風動型(いんきょふうどうがた)
病理
- 陰液が不足し、肝風が動く
症状
- 手足の震え・筋肉のけいれん
- 目の乾燥・不眠・ほてり
- めまい・顔が赤く火照る
悪化条件
- 睡眠不足・過労・ストレス
問診のポイント
- 「最近、のぼせやほてりが強くなっていませんか?」(陰虚)
- 「足がつることはありますか?」(陰虚風動)
☆まとめ
中風は「風・火・痰・瘀・虚」が関与
体質や環境によって異なる型に分けられます。
問診では 五臓・五志・六淫・七情・陰陽・痰飲・瘀血 を意識し、適切な処方を選びます。
生活習慣や環境が影響するため、個々の問診が非常に重要になります。
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