生理痛(痛経)
中医学において気血の巡りの異常や臓腑の機能失調が原因
問診により、五臓(肝・脾・腎)・気血の状態・寒熱・虚実のバランスを評価し
適切な処方を選びます。
目次
① 気滞血瘀(肝気鬱結型)
📌 病理・特徴
- 肝気の鬱滞 → 気の流れが悪くなり、血流も停滞(瘀血)
- ストレス、怒り、情緒の不安定で悪化
- 経血量は少ない・暗紫色・血塊を伴う
- 生理前または生理中に下腹部の張痛(刺すような痛み)
- 拒按
📌 悪化条件
- ストレス・情緒不安定・冷え・過労
📌 問診のポイント
- 五志(感情):イライラ、怒りっぽい
- 七情(情緒):ストレスが強いか
- 瘀血の症状:暗紫色の経血・血塊・舌が紫暗
② 寒凝血瘀(寒湿凝滞型)
📌 病理・特徴
- 寒邪(冷え)が血流を阻害 → 瘀血
- 生理前・生理中に冷痛
- 下腹部が冷えて痛む(温めると楽になる)
- 経血は暗色・血塊あり・粘稠
- 冷え性・手足が冷える
📌 悪化条件
- 寒冷環境・冷たい飲食・生理中の冷え
📌 問診のポイント
- 六淫(寒邪):寒さで悪化するか
- 陽虚の症状:冷え性、手足が冷たい
③ 気血両虚(脾腎虚弱型)
📌 病理・特徴
- 気血の不足 → 血流が弱まり、経血も少ない
- 生理後半・生理後に隠痛
- 鈍い痛み(喜按:押すと楽になる)
- 経血は薄く少ない・色は淡紅色
- 顔色が青白い・疲れやすい・めまい
📌 悪化条件
- 過労・栄養不足・睡眠不足
📌 問診のポイント
- 陰虚 or 陽虚の症状:疲れやすい、めまい、顔色の悪さ
- 五臓(脾・腎):消化力の低下、腰や膝のだるさ
④ 肝腎陰虚(陰虚型)
📌 病理・特徴
- 陰虚 → 血が不足し、肝腎の滋養不足
- 生理後半・生理後 隠痛
- 喜按
- 生理前後のほてり・のぼせ・口渇・微熱
- 経血は少なく、色が濃い
- 腰膝のだるさ・不眠・夢を多く見る
- 耳鳴・眩暈・健忘→腎
📌 悪化条件
- 夜更かし・過労・熱性食物(辛いもの・アルコール)
📌 問診のポイント
- 陰虚の症状:ほてり、のぼせ、口渇
- 腎の症状:腰膝のだるさ、耳鳴り
☆まとめ(タイプと症状)
タイプ | 主な症状 |
気滞血瘀(肝気鬱結) | ストレス、張痛、暗紫色の経血 |
寒凝血瘀(寒湿凝滞) | 冷え、温めると楽、暗色の経血 |
気血両虚(脾腎虚弱) | 鈍痛、経血が少ない、疲れ |
肝腎陰虚 | ほてり、のぼせ、経血が少なく濃い |
🔍 問診のポイント
- 五臓 → 肝(気滞・血瘀)、脾(気血虚)、腎(陰虚)
- 七情 → ストレス、怒り、悲しみ
- 六淫 → 寒邪(冷え)、熱邪(ほてり)
- 陰虚 or 陽虚 → ほてり・冷え・疲れの有無
- 痰飲 or 瘀血 → 経血の色、血塊の有無
ご相談お待ちしています。
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