適応症(続命湯が用いられる主な疾病)
- 脳血管系:脳梗塞、脳血栓、脳出血後遺症、半身不随、言語障害
- 神経系:顔面神経麻痺、三叉神経痛、手足のしびれ
- 循環器系:動脈硬化、高血圧
- 整形外科系:リウマチ、関節痛、慢性腰痛、神経痛
- 皮膚科系:しもやけ、血流障害による皮膚病
目次
用いる根拠(続命湯が適応される理由)
続命湯は「中風(ちゅうふう:脳卒中や神経麻痺の総称)」に対する代表的な方剤
活血化瘀(血流を改善)
通絡止痛(経絡を通じ痛みを取る)
祛風散寒(寒邪を除去)の作用を持ちます。
続命湯が適応される病態
- 風痰瘀血(ふうたんおけつ) → 血行不良+寒邪による気血の停滞
- 半身不随・麻痺・しびれ → 瘀血と痰湿が絡んで経絡が詰まり、気血の流れ悪化
- 慢性的な疼痛や神経痛 → 血流の滞りによる痛み、関節のこわばり
例えば、「脳卒中後遺症」と「関節リウマチ」は異なる病気ですが
どちらも気血の巡りが悪く、瘀血が関与するという共通の原因を持っています。
そのため、同じ処方(続命湯)が異なる病気に応用されるのです。
方剤の方意と各生薬の配合目的
方剤の方意
- 活血化瘀(瘀血を改善し血流を良くする)
- 祛風散寒(寒邪を取り除く)
- 通絡止痛(経絡の詰まりを解消し、痛みを和らげる)
各生薬の配合目的
生薬 | 目的 | 作用 |
当帰(とうき) | 補血活血 | 血を補い、血行を促進 |
川芎(せんきゅう) | 活血行気 | 血の巡りを良くし、頭痛や冷えを改善 |
芍薬(しゃくやく) | 活血止痛 | 血流を促進し、痛みを和らげる |
地黄(じおう) | 滋陰補血 | 血を増やし、体の潤いを補う |
桂枝(けいし) | 温経通陽 | 体を温め、冷えによる血行不良を改善 |
麻黄(まおう) | 祛風散寒 | 発汗・血流促進し、寒邪を除去 |
石膏(せっこう) | 清熱瀉火 | 体内の熱を冷まし、炎症を抑える |
甘草(かんぞう) | 緩和諸薬 | 他の生薬の調和、鎮痛作用 |
まとめ
続命湯は「中風(脳卒中など)」による後遺症や慢性的な血行不良に対し
異病同治の視点で幅広く応用される方剤です。
✅ 瘀血が関与する神経疾患・脳血管障害・関節痛などに適応
✅ 血行を改善し、経絡を通じ、寒邪を取り除くことで根本から治療する
ご相談お待ちしています。
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