妊娠したいと考えたときに最初に行っていくのがタイミング法。
タイミング法とは、排卵日に合わせて夫婦生活を持ってもらう、ベーシックな妊娠法です。
タイミング法による自然妊娠を希望する方にとって一番大切なことは、排卵日をきちんと知ること。
排卵の周期は人それぞれ違うため、きちんとご自身で判断できるようになるのが重要です。
本日は排卵日をきちんと知る方法と、排卵日を知った上でいつタイミングを取ったら良いのかについてお話しします。
それから、タイミングによる自然妊娠を望む方にしてもらいたい検査もあります。それも後々お話ししますね。
排卵日を知る方法
タイミングをとっていく上で、排卵日をきちんと知ることが大切だと先ほどお伝えしました。
ご自身の排卵日を正しく把握されている方はどのくらいいるでしょうか?
中には生理不順で正しい判断に悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。
排卵日を知る方法はいくつかありますので、ご紹介しますね。
①基礎体温表(BBT)から予測
上の基礎体温表(以下:BBT)をご覧ください。
BBTの横軸は月経期→卵胞期(低温期)→排卵→黄体期(高温期)→月経期となっています。
排卵日を境に、二層性になってることが分かると思います。
それぞれ【低温期】【高温期】と呼ばれており、1周期約半分、約14日間ずつ交代でやってきます。
では、排卵日はどこでしょう。図を見てみると、最も体温が下がったところに排卵日と、書いてありますね。
これは、正しくもあり少し誤りでもあります。(図をお借りしているのに、すいません。。)
何故、正しくもあり少し誤りでもあるかというと、実際の排卵日は人によってまちまちです。
さらに、同じ人でも周期によって変わることもあります。
ですが、おおよその排卵の頻度というものがわかっているので、ご説明します。
・最低体温日前日 →5%
・最低体温日 →22%
・最低体温日翌日 →40%
・最低体温日翌々日→25%
つまり、最低体温日の次の日が1番排卵している方が多いということになります。
さらに、基礎体温表のグラフが高温期に向けて斜めになっているところ=最低体温日とその翌日で
だいたい6割強の方が排卵しているとも言えますね。
ですが、基礎体温表は1周期だけ測ってもはっきりとした排卵日をつかむことは少し難しいと思います。
2~3周期ほど基礎体温表をつけていただいて、後々ここら辺で排卵していたね。と、予測するのには向いてます。
ですが、基礎体温表をつけることによってご自身の卵巣と子宮の様子を知ることに繋がるので、家庭で出来る不妊の検査とも言えますね。
たとえ、タイミング法をしてない方でも、基礎体温表をつけながら薬を服用した日、注射をした日、漢方を服した日、その日の体調などを記入していくと、ご自身のコンディションをつかむのにもいいかと思います。
なので、携帯のアプリなども便利ですが、一目で全体の流れが見えやすい紙のタイプの基礎体温表に記入されて管理することもオススメです。
②排卵チェッカー(排卵日検査薬)を使う
次は排卵チェッカー(排卵日検査薬)についてお話しします。
排卵チェッカーは尿中に出てきているLH(黄体形成ホルモン)の量を測定することによって、排卵日を知ることができるものです。
排卵日が近くなってきたころ、チェッカーの使用を開始します。
そして、陽性判定が出たらLHサージが起こったことがわかります。
排卵はLHサージが起きたあと16~24時間後に起こるとされています。
なので、陽性判定が出た16~24時間後に排卵すると考えられますね。
初めてラインが出た日ではなく、線がもっとも濃くなった日で判断すると良いですね。
さきほどのLHサージが起きてから16~24時間後に排卵といったことからも、
排卵チェッカーの陽性が確認できた時間帯からその日中、もしくは翌日に排卵すると予測できます。
時々、排卵チェッカーを使っていて一度濃くなったラインがまた薄くなってまた濃くなるということもあります。
左右の卵巣で卵を育てている途中である程度大きくなったものの、主席卵胞になれず消失して育たなくなった場合に薄くなってしまうこともあります。
その後もう一方の卵巣で育っていた卵胞が育つにつれてまたラインが濃くなることもあります。
もともとの排卵予定日よりもズレが大きい場合は、焦らず予定日までチェッカーを使うのもご自身の卵巣の癖を知る為にも試してもいいと思います。
③頸管粘液(おりもの)の変化を見る
3つめは、頸管粘液(おりもの)の変化によって排卵日を予測する方法です。
頸管粘液はエストロゲンの量に反応して排卵期に向けて増加していきます。
(プロゲステロンによって減少するので排卵後は頸管粘液は減少します。)
頸管粘液は排卵日近くなると量が増えてきます。
排卵日のおりものを指で触ってみると糸を引く、無色透明のものに変化します。
頸管粘液は膣内に射精された精子の通り道となるので妊娠成立にはとても重要な役割を持ちます。
タイミング法で妊娠を目指す場合は頸管粘液の変化も観察しながら基礎体温表や排卵チェッカーを使うと
より排卵日を予測しやすいかと思います。
④病院で卵胞の大きさをエコーで確認したり血液検査を行う
最後になりましたが、病院での検査です。
病院ではエコー(超音波検査)で卵胞の大きさをみます。20mmほどの大きさとなると排卵するとされています。
卵胞は一日で1〜2mmずつ大きくなるので、タイミング周期では頻繁に通院して診てもらうと確実です。
採血による血液検査の値についてもご説明します。
(I) E2:エストロゲン、エストラジオール
通常1つの成熟卵胞の値ですと、150~250pg/ml となります。
なのでもし体外受精の採血周期にお薬で沢山育てている場合、E2濃度が高くなることもあります。
3000~4000pg/mlとなるとOHSS(卵巣過剰刺激症候群)の危険性も出てきます。
(II)LH:黄体形成ホルモン
LHは卵胞が成熟すると、脳の下垂体というところから出てくるホルモンで、排卵を促し、卵胞を黄体化させます。
通常5~8mlU/mlあり、卵胞が育ちE2濃度が上昇してくにつれ、E2の脳へのフィードバックによりLHサージが起こります。このとき、12~15mlU/mlといったように上昇したことが確認できると、排卵が近いと予測できます
LHは排卵前との比較をして、値が伸びていることによってサージが起きていることを確認します。
排卵はLHサージが開始から32時間ほど、LHサージのピークからは16時間ほどで起こるので、
これにより排卵を予測します。
(Ⅲ)P4:プロゲステロン、黄体ホルモン
P4は、排卵した後の卵胞が黄体となってから、黄体から分泌されるホルモンです。
なので、排卵前は0.5mg/ml以下です。排卵後黄体が形成されるとP4の値は高くなって行きます
エコーや血液検査での値からの排卵日予測は、担当医が卵胞の大きさや血液検査の結果により
排卵日を特定してくれます。なので、値は参考程度で大丈夫ですが、
あとから結果の用紙を見返す時や前回と比較すべきポイントにもなるので、参考にしてくださいね。
まとめ
排卵日を特定する方法についてお伝えしてきました。
ポイントは、
- 基礎体温表をつけて、排卵の周期を知ること(体温が下がった日、とその翌日が可能性が高い)
- 排卵チェッカーを使い、一番線が濃くなったその日中、もしくは翌日
- おりものチェック!量が増えた・糸を引く無色透明なものの時は可能性高!
- 病院で卵胞の大きさの確認、血液検査をしてもらう
です。①〜③は併用することで精度を上げることができますよ。
排卵日が分かったら次はタイミングをいつとるかについてです。
長くなりましたので、次回お話ししますね。
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