<営業日>
 漢方薬局 月火水金土
 鍼灸院  月火水金土
※祝日は休業

<営業時間>
10:00〜18:00

中医学の問診の目的

中医学の問診は、

「どんな病気か」を探すのではなく

「なぜその症状が起きているのか」

を探る旅のようなものです。

体の中の陰陽・気血・臓腑のバランスが

どこで崩れているのかを見つけるために、丁寧にお話を伺います。

西洋医学と異なり

「病名を特定する」ことではなく

身体全体のバランスのどこに偏り(失調)があるかを見極め

証(しょう)を立てることにあります。

証とは体の中の状態が体の外に症状として現れた状態

例えると体の症状
 陰虚証    乾燥した土地潤いが足りず、熱がこもりやすい状態
 気滞証 詰まった交通気の流れが滞って、イライラや張り感が出る
 痰湿証 湿った倉庫余分な水分が溜まり、重だるさやむくみが出る
 血瘀証 渋滞した川血の流れが悪く、刺すような痛みやシミが出る
 陽虚症 冷えたエンジン熱を作る力が弱く、冷えや疲れが出やすい

陰虚証は

今の体は“乾燥した土地”みたいで

潤いが足りないから熱がこもってるんです。と判断できます。


つまり

「なぜその症状が起きているのか」という根本の偏りを探る会話です。

目次

中医的な問診の目的

中医の問診とは、

体内の陰陽・気血・臓腑・経絡のどの部分に失調があり

その結果として今の症状が出ているのかを明らかにするための

観察・推論の過程です。

目的の中心

① 体の失調のパターン(証)を明らかにすること

  • 同じ症状でも原因は異なる(例:不眠=心火・肝鬱・陰虚など)

② 失調の部位を特定すること

  • 五臓六腑・気血津液・経絡のどこに偏りがあるか

③ 失調の性質を特定すること

  • 陽虚・陰虚・気滞・血瘀・痰湿・湿熱・寒など

④ 原因(内因・外因・不内外因)を推定すること

  • 七情(精神的要因)・六淫(外邪)・飲食・過労・性生活など

問診の全体像(四診合参)

中医の診察は「四診合参」に基づきます。

診察法内容目的
望診顔色・舌・姿勢・皮膚など外から内の偏りを観察
聞診声・呼吸・体臭・口臭など気の状態・熱寒を判断
問診自覚症状を詳しく聞く陰陽・虚実・寒熱・臓腑の偏りを分析
切診脈・腹・触診など気血の流れ・臓腑の機能を確認

中でも「問診」は

お客様自身が感じている内側の情報を得る手段であり

望診・切診では分からない“内側の偏り”を見抜く鍵になります。

問診で探る「体の偏り」の方向性

問診では、以下のような観点から“偏りのパターン”を整理します:

分類意味主な確認ポイント
陰陽陽=機能・熱、陰=物質・冷・潤冷え・熱感・汗・舌質
寒熱病邪の性質寒がり/暑がり・口渇・尿・便
虚実体力や抵抗力の有無疲れやすさ・脈・舌の厚薄
気血津液エネルギー・血液・体液の充実顔色・めまい・皮膚乾燥・浮腫
臓腑五臓六腑の機能偏り睡眠・消化・排便・感情
経絡痛み・しびれの部位と性質痛みの部位・移動性・冷熱感

例:陰虚を疑うときの問診の流れ

目的:体液・陰液の不足による「熱の上昇」「潤いの欠乏」があるかを確認

確認項目理由(観察ポイント)
寝汗の有無陰虚により体液が低下し夜間に熱が外へ漏れる
五心煩熱(手足心・胸中のほてり)陰が不足して相対的に虚熱が生じる
口渇・咽乾・盗汗津液不足を反映
舌質紅・少苔陰虚の典型(苔が少なく、舌が赤い)
脈細数陰不足により脈が細く速い

このように

問診とは「一つの仮説(例:陰虚)」を立て

それを症状・舌・脈で照合して証を確定していく会話です。


中医問診の本質

一般医学中医学
病名を特定する体の偏り(証)を特定する
局所の異常を探す全身のバランスの乱れを探す
客観検査中心主観症状・体感中心
治療は「病気に対して」治療は「人に対して」

問診はお客様の感じていることを丁寧に聴きながら

体の中のバランスを探る大切な時間です。


一人ひとりの“証”を見つけることで

その人に合った優しい治療が始まります。

病名を特定する西洋医学と異なり

中医学の問診は身体の滞りを探る会話です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

埼玉県羽生市にある漢方薬局・鍼灸院 眞健堂です。
眞健堂は1987年、埼玉県羽生市に漢方薬局として開業いたしました。
2021年より鍼灸院を併設。
「眞ごころをもって、地域の皆様の健康をサポートする」ことをモットーに、地域の皆様が、抱えている不調から解放され、毎日をもっと楽に、楽しく、豊かに過ごしていけるように寄り添い続けます。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次