<営業日>
 漢方薬局 月火水金土
 鍼灸院  火水金土
※祝日は休業

<営業時間>
10:00〜19:00

脹痛の中医学的分類

脹痛(ちょうつう)は、中医学では「膨張感を伴う痛み」として認識

気滞・湿邪・痰飲・瘀血などによって引き起こされる。

問診方法(五臓・五志・六淫・七情・陰虚・陽虚・痰飲・瘀血) 各タイプの病理、症状、悪化条件、問診のポイントを解説します。

目次

1. 肝気鬱結(気滞)——(五臓:肝、七情:怒)

病理

ストレスや情志の鬱滞により肝の気の流れが滞り、気滞が生じることで脹痛が発生する。

症状

  • 痛みの特徴:張ったような痛み、移動性の痛み
  • 部位:側腹部、みぞおち、乳房、脇腹
  • その他:ため息が多い、胸苦しい、怒りやすい、月経前に乳房が張る
  • :紅、苔は薄白または黄
  • :弦脈

悪化条件

  • ストレス、怒り、抑うつで悪化
  • 気分が良くなると軽減

問診のポイント

  • ストレスを感じると痛みが強くなるか?
  • 胸や脇腹が張るように痛むか?
  • ため息が多いか?

2. 脾虚湿滞(湿邪)——(五臓:脾、六淫:湿)

病理

脾の運化機能が低下し、湿邪が溜まることで気の巡りが悪くなり、脹痛を引き起こす。

症状

  • 痛みの特徴:重だるい脹痛、圧迫感を伴う
  • 部位:腹部、四肢
  • その他:食後の膨満感、食欲不振、むくみ、軟便、倦怠感
  • :淡胖、苔は白膩
  • :緩または濡

悪化条件

  • 湿気の多い環境で悪化
  • 油っこい食事や冷飲食で悪化

問診のポイント

  • 食後にお腹が張るか?
  • むくみや倦怠感があるか?
  • 湿気の多い日や梅雨時に悪化するか?

3. 痰飲阻滞(痰飲)——(五臓:脾・肺・腎、痰飲)

病理

水湿の停滞により、痰飲(体内にたまった余分な水分)が経絡を塞ぎ、気機の流れを阻害することで脹痛を生じる。

症状

  • 痛みの特徴:動くと悪化する脹痛、身体の重だるさ
  • 部位:胸部、腹部、四肢
  • その他:吐き気、めまい、痰が多い、浮腫、喉の異物感
  • :胖大、苔は白膩
  • :滑または濡

悪化条件

  • 雨天や湿気で悪化
  • 運動不足で悪化

問診のポイント

  • 痰が多いか?
  • めまいやむくみがあるか?
  • 雨の日に症状が悪化するか?

4. 瘀血阻滞(瘀血)——(五臓:肝・心、瘀血)

病理

血の滞り(瘀血)により、局所の血流が悪くなり、脹痛が生じる。外傷や慢性的な血行不良が原因となる。

症状

  • 痛みの特徴:固定性の脹痛、刺すような痛み
  • 部位:下腹部、関節、頭部
  • その他:皮膚が暗紫色、月経痛(女性)、舌に瘀点
  • :紫暗、瘀点あり
  • :渋脈

悪化条件

  • 夜間に悪化・長時間同じ姿勢で悪化

問診のポイント

  • 痛みが一点に集中しているか?
  • 月経時の血塊や黒っぽい経血があるか?
  • 舌の色が紫っぽいか?

まとめ

タイプ病理症状悪化条件問診ポイント
肝気鬱結気滞張る痛み、移動性ストレスで悪化ため息、ストレス
脾虚湿滞湿邪重だるい脹痛湿気・食事で悪化食後の膨満感
痰飲阻滞痰飲動くと悪化、痰・めまい雨天・運動不足痰の多さ・浮腫
瘀血阻滞瘀血固定性、刺痛夜間・同姿勢瘀点、月経異常
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

埼玉県羽生市にある漢方薬局・鍼灸院 眞健堂です。
眞健堂は1987年、埼玉県羽生市に漢方薬局として開業いたしました。
2021年より鍼灸院を併設。
「眞ごころをもって、地域の皆様の健康をサポートする」ことをモットーに、地域の皆様が、抱えている不調から解放され、毎日をもっと楽に、楽しく、豊かに過ごしていけるように寄り添い続けます。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次