目次
1. 気虚とは?
「気虚」 とは、中医学において 気(生命エネルギー)の不足 により、臓腑の機能が低下し、全身の活力が失われる状態を指します。
気は**「推動・温煦・防御・固摂・気化」** の作用を持ち、生命活動を支えています。
☑ 気が不足すると、臓腑や経絡の働きが弱まり、様々な不調を引き起こす。
☑ 特に「脾・肺・腎」の気虚が多く、全身のエネルギー低下を招く。
2. 気虚の病因(発生要因)
気虚の発生は、先天的要因・後天的要因・生活習慣 によります。
| 病因の分類 | 具体的な病因 | 病理的影響 |
| 先天不足(遺伝) | 生まれつき虚弱、体質的な弱さ | 気の生成が弱く、成長や発育が遅れる |
| 飲食不摂生 | 過労・栄養不足・冷たい飲食物の摂取 | 「脾気虚」→ 気の生産不足 |
| 慢性疾患・大病後 | 長引く病気、手術後 | 気が消耗し、回復が遅れる |
| 過労・睡眠不足 | 精神労働・肉体労働のしすぎ | 気が枯渇し、慢性的な疲労感 |
| 過度の情緒変化 | 過度のストレス・不安・悲しみ | 「肺気虚」→ 呼吸が浅くなり、気が不足 |
| 老化(腎気不足) | 加齢による気の消耗 | 「腎気虚」→ 生命エネルギーが減退 |
3. 気虚の病理
気が不足すると、臓腑の機能低下が生じ、全身にさまざまな影響を及ぼします。
特に 「脾・肺・腎」 の気虚が中心となり、それぞれの機能が低下します。
気虚の主な影響
| 影響を受ける臓腑 | 気虚による主な影響 |
| 脾(脾気虚) | 消化不良・食欲不振・軟便・倦怠感 |
| 肺(肺気虚) | 息切れ・風邪を引きやすい・声が小さい |
| 腎(腎気虚) | 疲労感・頻尿・腰膝のだるさ・老化 |
| 心(心気虚) | 動悸・息切れ・めまい・不眠 |
| 肝(肝気虚) | 目の疲れ・イライラ・月経不順 |
4. 気虚の主な症状
気虚は、エネルギー不足による症状 を引き起こします。
| 症状の種類 | 具体的な症状 |
| 全身症状 | 倦怠感・疲れやすい・気力が出ない |
| 消化器症状 | 食欲不振・胃もたれ・軟便・腹部膨満感 |
| 呼吸器症状 | 息切れ・話すのが億劫・風邪を引きやすい |
| 循環器症状 | 動悸・めまい・血圧低下 |
| 泌尿器症状 | 頻尿・尿漏れ・冷え |
5. 気虚の悪化条件
| 悪化要因 | 影響 |
| 過労・睡眠不足 | 気の回復が間に合わず、慢性的な疲労に |
| 冷たいものの摂取 | 脾の機能が低下し、気の生成が阻害される |
| 長期の病気 | 体力が低下し、回復が遅れる |
| ストレス・情緒不安定 | 気の巡りが悪くなり、気虚が悪化 |
| 老化 | 気の生成能力が低下 |
6. 気虚の問診ポイント
- 疲れやすいか? → 倦怠感・気力の低下があるか?
- 消化器の調子は? → 食欲不振・胃もたれ・軟便があるか?
- 呼吸器の状態は? → 息切れ・風邪を引きやすいか?
- 尿の状態は? → 頻尿・尿漏れがあるか?
- 生活習慣は? → 過労・睡眠不足があるか?
★まとめ
- 気虚とは、気が不足し、臓腑の機能が低下する状態。
- 脾・肺・腎の気虚が中心となり、倦怠感・息切れ・消化不良が起こる。
- 主な症状は「疲れやすい」「食欲不振」「風邪を引きやすい。
- 十分な休養・栄養バランスの取れた食事・ストレス管理も重要!
🔹 気虚は生活習慣の改善も大切!早めのケアで元気な体に戻しましょう!


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