問診方法(五臓・五志・六淫・七情・陰虚・陽虚・痰飲・瘀血)
目次
風寒湿痺(六淫:風・寒・湿)
病理
外邪(風寒湿)が経絡に侵入し、気血の流れを阻害することで痛みを引き起こす。
特に寒湿が強いと血流が滞り、痛みが悪化しやすい。
症状
- 痛みの特徴:冷えや天候の変化で悪化する、刺すような痛み
- 部位:肩関節周囲、特に三角筋や肩甲骨周囲
- その他:関節のこわばり、悪寒、舌苔が白くて湿っぽい
悪化条件
- 寒冷、雨天、風に当たると悪化
- 朝方に痛みが強く、動かすと少し楽になる
問診のポイント
- 寒さや湿気で悪化するか?
- 天気によって痛みが変わるか?
- 関節のこわばりがあるか?
- お風呂で温まってもすぐに冷える(湿が有る方の特徴)
気血両虚(五臓:脾・肝、陰虚・陽虚)
病理
脾胃が弱いため、気血の生成が不足し、筋肉・関節に十分な栄養が行き渡らない。
特に慢性化した肩の痛みに多い。
症状
- 痛みの特徴:鈍痛、倦怠感を伴う
- 部位:肩全体に広がるような痛み
- その他:顔色が悪い、疲れやすい、食欲不振、舌が淡白
悪化条件
- 疲労時に悪化
- 休息すると改善する
問診のポイント
- 疲労時に痛みが増すか?
- 食欲不振や倦怠感があるか?
- 貧血傾向があるか?
肝腎不足(五臓:肝・腎、陰虚・陽虚)
病理
加齢や過労により肝腎の陰陽が不足し、筋肉や関節に栄養が届かない。
症状
- 痛みの特徴:持続的な鈍痛、筋肉のこわばり
- 部位:肩関節、背部まで広がることもある
- その他:腰膝のだるさ、目のかすみ、耳鳴り、舌質が紅
悪化条件
- 過労や睡眠不足で悪化
- 夜に痛みが強くなる
問診のポイント
- 腰や膝のだるさがあるか?
- 夜に痛みが強くなるか?
- 目の疲れや耳鳴りがあるか?
瘀血阻滞(五臓:肝・心、瘀血)
病理
血流が悪くなり、肩周囲の筋肉や腱に瘀血が溜まり痛みを引き起こす。
外傷や長期間の肩こりからくるケースが多い。
症状
- 痛みの特徴:刺すような痛み、夜間痛が強い
- 部位:肩の一点に強い圧痛がある
- その他:顔色が暗い、舌が紫色
悪化条件
- 動かすと痛む(夜間特に悪化)
- 圧迫すると痛みが増す
問診のポイント
- 痛みの部位が一点に集中しているか?
- 古傷や外傷歴があるか?
- 舌が紫色や瘀点があるか?
まとめ
タイプ | 病理 | 症状 | 悪化条件 | 問診ポイント |
風寒湿痺 | 外邪侵入 | 冷えで悪化、こわばり | 寒冷・雨天 | 天気や冷えで悪化? |
気血両虚 | 気血不足 | 鈍痛、疲れで悪化 | 疲労 | 食欲不振・貧血? |
肝腎不足 | 肝腎の衰え | 夜間痛、腰膝のだるさ | 過労・睡眠不足 | 腰のだるさ・耳鳴り? |
瘀血阻滞 | 血流の停滞 | 刺痛、圧痛、夜間痛 | 圧迫、夜間 | 古傷・瘀点がある? |
ご相談お待ちしています。
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