肝気厥逆(かんきけつぎゃく)の病理
目次
1. 肝気厥逆とは?
☑ 「肝気厥逆」とは、肝気が異常に逆流し、急激な気の鬱結(気滞)によって、全身特に四肢や意識に異常を引き起こす病理状態。
☑ 「厥(けつ)」とは、気血の流れが急激に乱れ、四肢の冷え、昏厥(気絶・意識障害)などを引き起こす現象を指す。
☑ 精神的な衝撃や強いストレス、怒りが引き金となることが多い。
☑ 手足の冷え、顔面蒼白、意識朦朧、気絶、過呼吸などが主な症状。
2. 肝気厥逆の病因(発生要因)
病因の分類 | 具体的な病因 | 病理的影響 |
七情(精神的要因) | 怒り・驚き・精神的衝撃 | 肝気が急激に逆上し、気機が乱れる |
ストレスの蓄積 | 長期間の精神的緊張 | 肝気の疏泄が障害され、気が閉塞する |
激しい気の上昇 | 強い怒りや興奮 | 気の循環が極端に乱れ、昏厥を引き起こす |
陰血不足(虚証) | 慢性病や過労による陰虚 | 陰が不足し、肝陽や肝気の抑制ができなくなる |
3. 肝気厥逆の病理メカニズム
🌿 正常な肝気の流れ
- 肝は 「疏泄(気の流れを調整)」と「昇発(適度な上昇)」 の機能を持つ。
- 気血がスムーズに流れることで、全身のバランスが保たれる。
🌪 肝気厥逆の異常な流れ
- 強い精神的刺激(怒り・驚き・ストレス)が加わると、肝気が急激に逆上し、気血の流れが極端に乱れる。
- 気が頭部に逆流するが、血の供給が追いつかず、脳の血流が低下し**「意識障害」や「昏厥(気絶)」**を引き起こす。
- 一方で、気血が末端(四肢)に行かず、手足が冷たくなる**(四肢厥冷)**。
- これが「肝気厥逆」の典型的な病理である。
4. 肝気厥逆の影響を受ける臓腑と症状
影響を受ける臓腑 | 病証名 | 主な症状 |
頭部(脳) | 肝気逆乱 | 失神、意識混濁、めまい |
四肢(手足) | 気血の停滞 | 四肢の冷え(四肢厥冷) |
顔(皮膚色) | 気血不足 | 顔面蒼白 |
精神(神志) | 肝気鬱結 | ヒステリー、情緒不安定、号泣や叫び |
呼吸器系 | 肝気犯肺 | 過呼吸、息切れ、ため息 |
5. 肝気厥逆の主な症状
症状の種類 | 具体的な症状 |
意識障害 | めまい、気絶(昏厥)、意識混濁 |
四肢症状 | 手足の冷え(四肢厥冷)、力が入らない |
精神症状 | ヒステリー、情緒不安定、叫び・号泣 |
呼吸症状 | 過呼吸、息切れ、ため息 |
6. 肝気厥逆の悪化条件
悪化要因 | 影響 |
怒り・驚き・精神的衝撃 | 肝気が急激に逆上し、気機が乱れる |
ストレスの蓄積 | 気の巡りが悪化し、発作が起こりやすくなる |
睡眠不足・疲労 | 陰血不足が悪化し、気の制御ができなくなる |
過度の緊張や過呼吸 | 血流が脳に行かず、昏厥を引き起こす |
7. 肝気厥逆の問診ポイント
- 強いストレスや精神的衝撃を受けたか?
- 怒りや驚きで気絶したことがあるか?
- めまいや失神を経験したことがあるか?
- 手足の冷えが突然起こることがあるか?
- 過呼吸や息切れを感じることがあるか?
★まとめ
- 「肝気厥逆」とは、肝気が異常に逆流し、急激な昏厥や四肢の冷えを引き起こす病態。
- 主な原因は「強い怒り・精神的衝撃・ストレス」。
- 症状は「気絶・手足の冷え・ヒステリー・過呼吸」。
- 治療は「疏肝理気・開竅醒神・温陽回厥」が基本。
🌿 「心を落ち着け、リラックスを大切に!」
この記事を書いた人
埼玉県羽生市にある漢方薬局・鍼灸院 眞健堂です。
眞健堂は1987年、埼玉県羽生市に漢方薬局として開業いたしました。
2021年より鍼灸院を併設。
「眞ごころをもって、地域の皆様の健康をサポートする」ことをモットーに、地域の皆様が、抱えている不調から解放され、毎日をもっと楽に、楽しく、豊かに過ごしていけるように寄り添い続けます。
コメント