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痛いの痛いの飛んでいけ

「痛いの痛いの飛んでいけ」――
子どもが転んだとき、私たちは自然とそう声をかけ、そっと撫でます。
でも、これはただの気休めではありません。
実は、生理学的にも心理学的にも、痛みを和らげる確かな仕組みがあるのです。
今日はその“やさしさの科学”を、皆さんと一緒に紐解いていきましょう。

目次

① 皮膚の機械刺激と神経生理学的効果(ゲートコントロール理論)

皮膚を優しく撫でると、「Aβ線維(触覚を伝える神経)」が興奮します。


このAβ線維の信号は

脊髄で「痛みを伝えるC線維・Aδ線維の信号」を

抑制(ゲートを閉じる)作用を持っています。

つまり

優しい触覚刺激

→ Aβ線維活性

→ 脊髄レベルで痛み信号の伝達をブロック


「痛いの痛いの飛んでいけ」と撫でると、実際に痛みの伝わりが減る

これがゲートコントロール理論(Melzack & Wall, 1965)による痛みの軽減です。


② 皮膚刺激による血流改善・NO分泌

皮膚へのやさしい摩擦刺激

  • 血管内皮細胞や神経終末から一酸化窒素(NOを誘導
  • NOが局所血管を拡張し、血流を改善
  • 血流改善により
    痛み物質(ブラジキニン・プロスタグランジン・乳酸など)の除去促進

これによって

局所的な疼痛・炎症が軽減します。

特に温かい手で触れると

副交感神経が優位になり、血流増加がさらに促されます。


③ オキシトシン・エンドルフィン分泌(心理的・神経化学的要素)

優しく撫でる・声をかけることで

脳内では

  • オキシトシン(愛情ホルモン)
  • エンドルフィン(内因性モルヒネ)が分泌されます。

これらは痛みを抑える神経伝達物質でもあり

同時に安心感・快感をもたらします。

つまり

「優しく撫でてくれる」「守られている」という安心感が

脳内で痛み抑制システムを作動させるのです。


④ 言葉によるプラセボ効果(脳の認知変化)

「痛いの痛いの飛んでいけ」という言葉自体も、

  • 痛みが消えるという期待・暗示効果(プラセボ効果)
  • 前頭前皮質や扁桃体の活動を通じて、痛覚の知覚を調整
  • 「大丈夫」「治る」という意味づけによる安心感

つまり

言葉=脳内鎮痛信号のトリガーにもなっています。


★まとめ

要因生理学的作用効果
優しく撫でるAβ線維 → ゲートコントロール痛み信号抑制
皮膚刺激NO・血流改善炎症物質除去
優しい接触オキシトシン・エンドルフィン分泌鎮痛・安心感
優しい言葉プラセボ効果痛み知覚低下

🔸中医学的視点から見ると

「優しく撫でる」は気の疏通を助け、
「痛いの痛いの飛んでいけ」は心神を安ずる作用があります。
つまり、「気滞が解け、神が安まる」=痛みが緩む、という仕組みです。

☑まとめると

「痛いの痛いの飛んでいけ」は
皮膚刺激

血流改善

神経伝達抑制

ホルモン分泌

言葉の安心感という5つのルートで

実際に痛みを軽減している現象です。

「痛いの痛いの飛んでいけ」――
それは単なるおまじないではなく、科学と心が重なる癒しの言葉です。
優しく撫でる手、かけられる言葉、そこに込められた思いやりが、
神経を鎮め、血流を整え、心を安らげ、痛みを和らげてくれるのです。
まさに、“手当て”とは手で当てること。
私たちの手と声には、想像以上の力が宿っているのです。

中医学と現代科学をつなぐ締め

中医学では「気滞が解け、神が安まる」と言い、
現代医学では「神経伝達が抑制され、ホルモンが分泌される」と言います。
どちらも、“やさしく触れ、やさしく語る”ことの力を語っています。
「痛いの痛いの飛んでいけ」――
それは、人と人との間に流れる“癒しの気”の表現なのかもしれません。

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この記事を書いた人

埼玉県羽生市にある漢方薬局・鍼灸院 眞健堂です。
眞健堂は1987年、埼玉県羽生市に漢方薬局として開業いたしました。
2021年より鍼灸院を併設。
「眞ごころをもって、地域の皆様の健康をサポートする」ことをモットーに、地域の皆様が、抱えている不調から解放され、毎日をもっと楽に、楽しく、豊かに過ごしていけるように寄り添い続けます。

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