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 漢方薬局 月火水金土
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不妊に関する専門用語を理解する

「不妊」という言葉に向き合うとき、私たちは単なる医学的現象ではなく、

心と体の繊細なバランスに触れることになります。

漢方では、このバランスを「気・血・水」や「腎・肝・脾」といった独自の視点で捉え、

妊娠力を“全身の調和”として考えます。ここでは、漢方における不妊の専門用語を、やさしく紐解いてみました。

目次

温煦(おんく)

専門的意味

陽気が全身を温め、生命活動を促す作用。
体をポカポカと温めて、臓器や子宮の働きを活発にする力のことです。冷えが強いとこの温める力が弱って、卵巣や子宮の働きも低下します。

冷え性があると温煦の働きが弱まり、排卵や着床がうまくいきにくくなります。


衝脈(しょうみゃく)

専門的意味

「血海」と呼ばれ、気血を全身に巡らせる主な通路で、特に生殖に深く関係する経脈。女性ホルモンの流れをコントロールする“血の幹線道路”のような通り道です。卵巣や子宮の血流とも関係します。

使衝脈の流れが滞ると、月経不順や排卵障害が起こりやすくなります。


任脈(にんみゃく)

専門的意味

胎児をはぐくむ経脈で、女性ホルモンや子宮機能を調える働き。体の前を通る“女性ホルモンの通り道”で、子宮の働きを支えます。妊娠を守る力とも関係します。

任脈を整えることで、ホルモンバランスや月経周期が安定しやすくなります。


胞宮(ほうきゅう)

専門的意味

子宮・卵巣を含めた女性の生殖器全体を指す。
赤ちゃんを育てるための“お部屋”です。血流やホルモンの状態が整うと、このお部屋の環境もよくなります。

胞宮の血流を整えることが、着床や妊娠の大切な基盤になります。


陰精(いんせい)

専門的意味

生命の基礎となる“精(せい)”で、卵子・精子の質や体の潤いをつくる。
体の中の“生命のもと”で、卵子や精子の質、ホルモンの材料になる部分です。

陰精が足りないと、卵の質や内膜の厚さが不足することがあります。


陰血(いんけつ)

専門的意味

 血液そのものと、その栄養・潤いを与える働き。
血のめぐりと質のことです。卵や子宮を栄養で支える“母なる血”と考えます。

陰血が不足すると、月経が少なくなったり、内膜が薄くなりやすいです。


陰虚(いんきょ)

専門的意味

潤いや血・精が不足して、身体に“熱”がこもる状態。
体の潤いや栄養が足りず、体がカラカラに乾いて熱がこもる状態です。

卵や内膜の栄養が不足しやすくなります。

陰虚があると、基礎体温の高温期が長すぎたり、寝汗やほてりが出やすくなります。


肝鬱(かんうつ)

専門的意味

情志(ストレス)によって“肝の気”が滞る状態。
ストレスで体のめぐりがギュッと止まってしまう状態です。

ホルモンや血流も流れにくくなります。

肝鬱があると、排卵や月経が遅れたり、胸が張る・イライラするなどの症状が出ます。


解鬱(かいうつ)

専門的意味

 滞った“肝の気”を解きほぐし、気血の流れを回復させること。
ストレスで滞った流れをやわらげて、心も体もスッと楽にする働きです。

解鬱の漢方は、ストレス性の月経不順や排卵障害の改善に役立ちます。


通絡(つうらく)

専門的意味

絡脈(細い血管や神経)を通じさせて、気血をスムーズに流すこと。
細い血管や神経の通りをよくして、血流やホルモンの伝達をスムーズにする働きです。

通絡の処方は、冷えや瘀血によって子宮の血流が悪い時に用います。


安胎(あんたい)

専門的意味

妊娠を安定させ、流産を防ぐ作用。
お腹の赤ちゃんを守り、妊娠を続けやすくするための働きです。

体の気・血・腎の力を整えて支えます。」

体の冷えやストレスで流産しやすい方には、安胎の漢方を使うことがあります。


★まとめ

漢方の専門用語は、一見すると難解に見えるかもしれませんが、その根底には

「命を育む力は、全身の調和から生まれる」という深い哲学があります。

気が巡り、血が満ち、水が潤い、五臓が協調することで、妊娠という奇跡が自然に訪れる――

そんな漢方の世界観を知ることは、不妊という課題に対して、希望と安心をもたらす第一歩となるでしょう。

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この記事を書いた人

埼玉県羽生市にある漢方薬局・鍼灸院 眞健堂です。
眞健堂は1987年、埼玉県羽生市に漢方薬局として開業いたしました。
2021年より鍼灸院を併設。
「眞ごころをもって、地域の皆様の健康をサポートする」ことをモットーに、地域の皆様が、抱えている不調から解放され、毎日をもっと楽に、楽しく、豊かに過ごしていけるように寄り添い続けます。

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