中医学では、不妊の原因を「6つの体質の偏り」として捉えます。
これは、あなたの体がどんなサポートを求めているかを知るヒント。
6つのタイプは、どれが良い悪いではなく、“今のあなたの状態”を映す鏡です。
それぞれに合ったケア方法があるからこそ、改善への道が開かれます。
どうか、あなたの体の声に耳を傾けながら、希望の芽を育てていきましょう。
6つの弁証型
- 腎陰虚型
- 腎陽虚型
- 気血両虚型
- 血熱妄行型
- 瘀血阻滞型
- 肝鬱気滞型
ひとつずつ説明いたします。
① 腎陰虚型(免疫過剰・血熱傾向)
🔹主病機
腎陰不足 → 虚熱内生 → 子宮環境が「熱・乾・攻撃的」となり
→ IFN-γ・TNF-αが過剰。
→ 胎児を養う陰血が不足して着床維持が困難。
🩷方意まとめ
「腎陰を養い、虚火を降ろす」ことにより、炎症性サイトカインの過剰を抑え、免疫寛容を回復して子宮NK活性の鎮静化。
② 腎陽虚型(血流低下・冷え性不妊)
🔹主病機
命門火衰 → 胞宮温煦不足 → 血行不暢 → 着床環境が「冷・停滞」。
→ uNKの異常反応(炎症誘導・拒絶傾向)。
🩷方意まとめ
「温陽散寒・養血通経」して胞宮を温め、血脈を通暢にする。
→ 子宮血流改善・NK過剰反応抑制。
通暢(つうちょう)とは
- 「通」=通る、流れる
- 「暢」=のびやか、滞りがない
滑らかに流れ気や血がスムーズに巡っている状態
③ 気血両虚型(胎元不固・流産傾向) 胎元:胎児の生命力
🔹主病機
気虚により胎元推持力が不足し、血虚により胎が滋養されず安定しない。
→ Treg誘導不全、免疫寛容維持困難。
🩷方意まとめ
「補気養血・健脾補腎・安胎」。
→ 胎元の安定=免疫の穏やかさを再現する。
④ 血熱妄行型(虚熱・実熱による着床障害)
🔹主病機
血分に熱がこもり、妄行して胎を傷つける。
→ uNKの異常興奮(IFN-γ過多)を伴う。
🩷方意まとめ
「涼血養陰・清熱安胎」。→ 胎盤局所の炎症性サイトカインを鎮静。
⑤ 瘀血阻滞型(血流障害・着床困難)
🔹主病機
血行不暢→胞宮の栄養供給不足→胚着床阻害。
→ 子宮血管の狭窄や内膜菲薄に対応。
🩷方意まとめ
「温通活血・化瘀調経」。
→ 子宮内膜血流改善・血管再構築促進。
⑥ 肝鬱気滞型(ストレス・情志不和)
🔹主病機
肝気鬱結→衝任失調→着床期ホルモン変動・免疫バランス破綻。
→ 交感神経優位・NK過活動の生理学的背景。
🩷方意まとめ
「疏肝理気・養血健脾」。
→ 精神緊張を解き、HPA軸・自律神経・免疫系を和調。
★総まとめ表
| 弁証型 | 病機 | 方意の核心 |
| 腎陰虚 | 虚熱・炎症過剰 | 滋陰清熱・安胎 |
| 腎陽虚 | 冷え・血流低下 | 温陽活血・養血調経 |
| 気血両虚 | 胎元不固 | 補気養血・固胎 |
| 血熱妄行 | 虚実熱・血行乱 | 涼血養陰・安胎 |
| 瘀血阻滞 | 血行不暢・着床障害 | 活血化瘀・調経安胎 |
| 肝鬱気滞 | 情志鬱結・衝任失調 | 疏肝解鬱・調経安胎 |
***
不妊という言葉の奥には、たくさんの想いと物語があります。
でも、体の声に耳を傾けることで、必ず“あなたに合った道”が見えてきます。
今日の気づきが、明日の希望につながりますように。
あなたの歩みを、心から応援しています。


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