中医学
「陽虚」「気血不足」「瘀血」「痰湿」の4つのタイプに分類されます。
問診では五臓の状態を確認し、六淫:寒湿や七情:ストレスの影響を考慮しながら問診していきます。
目次
1. 腎陽虚型(腎の陽気不足による冷え)
病理
腎陽は全身を温める役割を持つが、腎陽が不足すると体が冷えやすくなる。
主な症状
- 全身が冷える、特に足腰の冷えが顕著
- 朝起きるのがつらい、疲れやすい
- 頻尿、夜間頻尿、尿が無色に近い
- 低血圧、顔色が青白い
悪化条件
- 寒冷環境、冷たい飲食物
- 過労や長期間の病気
問診のポイント
- 冷えの部位(足腰の冷えが強いか)
- 頻尿や夜間尿の有無
2. 脾陽虚型(脾の陽気不足による冷え)
病理
脾陽が低下すると、消化吸収力が弱まり、気血が不足し、冷えが生じる。
主な症状
- 手足の冷え、特に指先が冷たい
- 食欲不振、胃もたれ、軟便や下痢
- 疲れやすい、気力がない
- 水分を摂るとすぐお腹が冷える
悪化条件
- 生ものや冷たい食べ物・飲み物
- 過労や胃腸の負担
問診のポイント
- 消化機能の状態(胃もたれ・軟便・下痢)
- 冷たい飲食物への耐性
3. 気血両虚型(気と血の不足による冷え)
病理
気血が不足すると、血液の循環が悪くなり、体を温める力が低下する。
主な症状
- 末端の冷え(手足が冷たい)
- 顔色が青白い、貧血ぎみ
- 疲労感、立ちくらみ
- 動悸、息切れ
悪化条件
- 過労、栄養不足、出血(生理が多い)
問診のポイント
- 貧血の症状(めまい・立ちくらみ)
- 生理の状態(経血量の多さ、色)
4. 瘀血型(血行不良による冷え)
病理
血の巡りが悪くなると、末端の血流が滞り、冷えが生じる。
主な症状
- 末端冷え、特に指先・足先が冷える
- 皮膚がくすんでいる、シミやアザができやすい
- 月経痛、経血に塊が多い
- 肩こり、頭痛
悪化条件
- 長時間同じ姿勢、運動不足
- ストレスや緊張
問診のポイント
- 冷えの部位(指先・足先の冷え)
- 月経痛や血の巡りの状態
5. 痰湿型(体内に余分な水分が溜まることで冷えが生じる)
病理
体内の水分代謝が滞ることで、冷えやむくみが生じる。
主な症状
- 体が重だるい、むくみがある
- 手足の冷え、特に下半身の冷えが強い
- 頭がぼーっとする、めまい
- 胃腸の不調(食欲不振、便が緩い)
悪化条件
- 湿気が多い環境、雨の日
- 甘いものや脂っこい食べ物
問診のポイント
- 冷えとむくみの関係
- 湿気に対する体調変化
まとめ:冷え性の中医学的分類
型 | 原因 |
腎陽虚型 | 腎の陽気不足 |
脾陽虚型 | 脾の陽気不足 |
気血両虚型 | 気血不足 |
瘀血型 | 血行不良 |
痰湿型 | 余分な水分の停滞 |
ご相談お待ちしています。
コメント