アレルギー性鼻炎:過敏性鼻炎は中医学では 「鼻鼽」
主に 肺・脾・腎の虚弱 や 風寒・風熱・痰湿・瘀血 などが関与
問診
五臓(肺・脾・腎)
五志(怒・喜・思・憂・恐)
六淫(風・寒・湿・燥・火)
七情(怒・喜・思・憂・恐)
陰虚・陽虚・痰飲・瘀血 を考慮し、原因を特定して治療
目次
1. 肺気虚(はいききょ)
症状
- くしゃみ・透明な鼻水が多い
- 鼻づまり・息苦しさ(特に朝)
- 風邪をひきやすい、疲れやすい
- 顔色が白い、汗をかきやすい
病理
- 肺気不足 → 外邪(風寒・風熱)に対する防御力が低下
- 肺が鼻を主るため、肺気不足により 鼻の機能が低下
💡 風邪をひきやすく、慢性的な鼻炎がある場合に適応
悪化条件
- 朝晩の寒さ(風寒の影響)
- 風邪をひいた後(肺気がさらに弱る)
問診のポイント
- 風邪をひきやすいか?(肺気虚)
- 寒さに弱いか?(肺気虚)
- 朝に症状が悪化するか?(肺気不足+陽気の低下)
2. 脾気虚(ひききょ)
症状
- くしゃみ・鼻水(白く粘る)
- 鼻づまりが重く、胃腸が弱い
- 軟便、食欲不振、疲れやすい
- 目の下のくま、むくみやすい
病理
- 脾は生化の源(気血の生成) → 脾気虚により 気血不足 となり鼻粘膜が弱くなる
- 脾虚が湿邪を生み、痰湿が鼻に溜まる → 鼻づまり
💡 胃腸が弱く、鼻水・鼻づまりが長引く人に適応
悪化条件
- 甘いもの、冷たいものの摂取(脾虚+湿の増加)
- 食後の眠気、倦怠感(脾虚)
問診のポイント
- 胃腸が弱いか?(脾気虚)
- 体がむくみやすいか?(湿邪)
- 甘いものを好むか?(脾虚)
3. 腎陽虚(じんようきょ)
症状
- 鼻炎が慢性化し、鼻水が透明で量が多い
- 寒がり、手足が冷える
- 疲れやすく、腰や膝がだるい
- 朝に症状が悪化しやすい
病理
- 腎陽は体を温め、気を巡らせる → 腎陽不足により 寒邪を防ぐ力が低下
- 腎陽不足により 水分代謝が悪くなり、鼻水が多くなる
💡 慢性的な鼻炎+冷え症の人に適応
悪化条件
- 冷え(冬・朝晩に悪化)
- 過労(腎陽がさらに消耗)
問診のポイント
- 手足が冷えるか?(腎陽虚)
- 冷たいものを摂ると悪化するか?(陽虚)
- 朝に鼻炎が悪化するか?(腎陽虚)
4. 風寒犯肺(ふうかんはんはい)
症状
- くしゃみ・透明な鼻水が大量に出る
- 鼻づまり、寒気、首や肩のこり
- 風邪をひきやすい
病理
- 風寒が肺に侵入し、肺の宣発機能が低下 → 鼻水が止まらなくなる
💡 急性の発作時や寒さにより鼻炎が悪化する人に適応
悪化条件
- 寒冷刺激(冷風・エアコン)
- 冬や朝晩に悪化
問診のポイント
- 透明な鼻水が多いか?(風寒)
- 体が冷えやすいか?(陽虚)
- 風邪をひきやすいか?(肺気虚)
5. 瘀血阻滞(おけつそたい)
症状
- 鼻づまりが長引く、鼻水が少ない
- 頭痛、顔の黒ずみ、目の下のくま
- 冷えのぼせ、肩こり、月経不順(女性)
病理
- 血行不良により、鼻粘膜の血流が悪くなり 慢性的な鼻づまり が発生
💡 長引く鼻づまり+血行不良タイプに適応
悪化条件
- 冷え(血行悪化)
- 運動不足
問診のポイント
- 目の下にくまができやすいか?(瘀血)
- 鼻づまりが慢性的に続くか?(瘀血)
- 生理痛が強いか?(瘀血)
まとめ
アレルギー性鼻炎
体質・外邪・瘀血・痰湿 などが関与、証を正確に見極めることが重要
アレルギー性鼻炎だからと言って小青竜湯とは限らない
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