白内障は
目の水晶体のタンパク質が変性・凝集して濁ることで起こります。
ラノステロールは
このタンパク質の“折りたたみ”を守り
すでにできた“ダマ”をほどく働きがあり
白内障の予防・改善に期待されています。
一方、中医学では白内障を
「腎精の不足」「痰濁の停滞」「気滞による瘀血」「気虚による代謝低下」など
体質や背景に応じて捉えます。
スクアレンは体内でラノステロールに変わるため、
スクアレンと体質に合った漢方薬を組み合わせることで、
水晶体のタンパク質を守るだけでなく
体全体のバランスを整えながら白内障をケアすることができます。
白内障の発生
中医学の4つの病理(腎・脾・気滞・気虚) に対応させて整理し、
それぞれの 目的に合った漢方処方 を明確に挙げて解説します。
白内障は中医学的には
腎精不足・痰濁阻滞・気滞瘀血・気虚不運 が主軸となり、
それぞれ改善の方向性が異なります。
① 腎から加齢(腎精不足 → 白内障)
白内障は典型的に 腎精の消耗 → 目の失養 → 濁り として捉えます。
● 適応する処方
杞菊地黄丸(きぎくじおうがん)
- 腎精を補い、肝血と腎陰を養う
- 加齢性の視力低下・かすみ目の第一選択
- 白内障初期に使用されることが多い
滋腎明目湯(じじんめいもくとう)
- 杞菊地黄丸系+視力改善の力が強い
- 「目の使いすぎ」「老化」によるかすみに
六味地黄丸(ろくみじおうがん)
- 腎陰補充 → 水晶体の代謝改善
- 乾燥感・疲れ目を伴うタイプに
② 脾から痰濁(痰熱・湿濁 → 晶状体の混濁)
食事の偏り、脾の運化失調 → 痰濁が目に上り、濁りが生じるタイプ。
● 適応する処方
温胆湯(うんたんとう)
- 痰濁・湿濁を除き、胆経の濁を清める
- 脂質代謝の異常・湿気体質の白内障に
二陳湯(にちんとう)
- 基本の化痰処方
- 水晶体混濁の背景に「痰湿」が強い場合
③ 気滞から瘀血(血流悪化 → 目の濁り)
ストレス・長時間の目の負担 → 気滞 → 血行不良 → 水晶体代謝の低下。
● 適応する処方
血府逐瘀湯(けっぷちくおとう)
- 目の血流改善の代表処方
- 進行抑制に向く
- 眼精疲労・頭痛を伴うタイプ
加味逍遥散(かみしょうようさん)
- 気滞 → 血流低下が背景
- ストレスが強く、目の疲れが取れないタイプ
④ 気虚から補気(代謝低下 → 濁りの排出ができない)
脾気虚・全身の代謝低下で濁が代謝されず白内障が進むタイプ。
● 適応する処方
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
- 脾気を補い、目の代謝力を上げる
- 疲れやすく、視界のかすみが悪化するタイプ
人参養栄湯(にんじんようえいとう)
- 気血ともに不足している場合
- 高齢者の白内障改善補助として使いやすい
六君子湯(しくんしとう)
- 胃腸虚弱 → 濁の停滞
- 代謝力を底上げする
まとめ:目的別・白内障の漢方一覧
| 目的(証) | 処方例 | 使う理由 |
| 腎から加齢 (腎精不足) | 杞菊地黄丸、滋腎明目湯 六味地黄丸 | 水晶体タンパクの代謝低下を改善、老化予防 |
| 脾から痰濁 | 温胆湯、二陳湯 | 痰湿・脂質代謝→混濁の原因を除去 |
| 気滞から瘀血 | 血府逐瘀湯、加味逍遥散 | 目の血流改善で水晶体代謝を向上 |
| 気虚から補気 | 補中益気湯、人参養栄湯 六君子湯 | 気虚を改善して濁の排出を促す |
ラノステロールは
水晶体タンパク質の「折りたたみを守る」「ダマをほどく」「細胞を守る」という
3つの働きで、白内障の進行を抑える分子です。
そして中医学では
白内障の背景にある「腎精不足」「痰濁」「瘀血」「気虚」などの体質を見極め、
それぞれに合った漢方薬を用いることで、根本からの改善を目指します。
スクアレンと漢方薬の併用は、西洋医学の分子レベルの修復と
中医学の体質改善を同時に叶える、やさしく力強い白内障ケアの提案です。
目の濁りをほどき、体の流れを整える——
その両方を意識したケアが、未来の視界を守る鍵となります。


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