肝気犯肺(かんきはんはい)の病理
目次
1. 肝気犯肺とは?
☑ 「肝気犯肺」とは、肝の気が鬱滞して肺を犯し、気の流れを乱すことで、呼吸器症状や精神症状を引き起こす病理状態。
☑ 肝は「疏泄(そせつ)」を司り、気の流れを調整する。肺は「気を主る」臓腑で、呼吸を通じて気を全身に巡らせる。
☑ ストレスや情緒の乱れによって肝気が滞ると、気機の昇降が乱れ、肺に影響を及ぼす。これにより、咳・息苦しさ・ため息・胸苦しさなどの症状が現れる。
2. 肝気犯肺の病因(発生要因)
病因の分類 | 具体的な病因 | 病理的影響 |
七情(精神的要因) | 怒り・ストレス・緊張・焦燥・憂鬱 | 肝気が鬱滞し、肺の気機を阻害 |
外邪(気候変化) | 風寒・風熱の侵襲 | 肺の機能が低下し、肝気がさらに影響を及ぼしやすくなる |
陰虚(陰の不足) | 長期のストレス・睡眠不足 | 肝の陰が不足し、気の流れがさらに乱れる |
3. 肝気犯肺の病理メカニズム
🌿 正常な肝と肺の関係
- 肝 は気を巡らせ、気の昇降を調整する。(気の流れのコントロール)
- 肺 は気を主り、呼吸を通じて気を全身に巡らせる。(気を降ろす機能がある)
- 肝の疏泄と肺の粛降(しゅくこう)は相互に協調し、気のスムーズな流れを維持する。
🔥 肝気犯肺の異常な流れ
- ストレスや怒り によって 肝気が鬱滞し、気の流れが滞る(肝気鬱結)
- 肝気が横逆し 肺の降気機能を妨害(気機失調)
- 肺が気を降ろせなくなり、咳や息苦しさが生じる
- 「ため息・胸苦しさ・咳・気逆(息が詰まる)」などの症状が出現
4. 肝気犯肺の影響を受ける臓腑と症状
影響を受ける臓腑 | 病証名 | 主な症状 |
肺(呼吸器系) | 気機失調 | 咳、息苦しさ、ため息 |
肝(自律神経・気の流れ) | 肝気鬱結 | 胸の張り、イライラ、情緒不安定 |
横隔膜(胸郭) | 肝気上逆 | 胸苦しさ、呼吸困難感 |
血絡(血管系) | 気滞血瘀 | 胸痛、刺痛、皮下出血 |
5. 肝気犯肺の主な症状
症状の種類 | 具体的な症状 |
呼吸器症状 | 咳、息苦しさ、ため息、気が詰まる感じ |
胸部症状 | 胸苦しさ、胸の張り、呼吸の不快感 |
精神症状 | イライラ、不安感、焦燥感、気分の落ち込み |
口腔症状 | 口が苦い、喉が渇く、喉の違和感 |
消化器症状 | 食欲不振、げっぷ、腹部膨満感 |
6. 肝気犯肺の悪化条件
悪化要因 | 影響 |
怒り・ストレス | 肝気がさらに鬱滞し、肺の降気機能を妨げる |
気候変化(風寒・風熱) | 肺の気機が乱れ、咳や息苦しさが悪化 |
睡眠不足・過労 | 陰が不足し、気の流れがさらに乱れる |
飲酒・辛い食べ物 | 肝火がさらに亢進し、肺の気機を乱す |
7. 肝気犯肺の問診ポイント
- 最近、ストレスや怒りを感じることが多いか?
- ため息が増えたり、息苦しさを感じることがあるか?
- 咳が出るが、痰は少ないか?
- 胸の張りや痛みを感じることがあるか?
- 食欲が落ちたり、胃の膨満感があるか?
★まとめ
- 「肝気犯肺」とは、肝の気が鬱滞し、肺の気機を阻害する病態。
- 主な原因は「ストレス・怒り・陰虚・外邪」。
- 症状は「咳・息苦しさ・ため息・胸苦しさ・イライラ」。
- 治療は「疏肝理気・降気平喘・潤肺止咳」が基本。
🌿 「気を巡らせ、深呼吸を意識してリラックス!」
この記事を書いた人
埼玉県羽生市にある漢方薬局・鍼灸院 眞健堂です。
眞健堂は1987年、埼玉県羽生市に漢方薬局として開業いたしました。
2021年より鍼灸院を併設。
「眞ごころをもって、地域の皆様の健康をサポートする」ことをモットーに、地域の皆様が、抱えている不調から解放され、毎日をもっと楽に、楽しく、豊かに過ごしていけるように寄り添い続けます。
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