陰虚燥結は、体内の陰液(体内の水分や栄養)が不足し、腸内の潤いが欠乏して乾燥状態が生じ、
便秘を引き起こす病態です。
陰虚により腸の潤いが足りなくなり、便が乾燥し、硬くなり、腸の動きが鈍くなるため、便秘が悪化します。
目次
病因(発生要因)
1. 陰液の不足
- 長期間の疲労、過労、慢性的な病気や高齢などが原因で陰液が不足し、腸内が乾燥します。特に、体力や免疫力が低下していると、陰虚が進行しやすくなります。
2. 不規則な生活習慣
- 食事が不規則だったり、過度の飲酒や過食などが陰液を消耗し、腸内の潤いが欠乏する原因となります。
3. 精神的ストレス
- 精神的な疲労や過度なストレスは、肝気を抑え、陰液を消耗させるため、腸の乾燥を引き起こす原因となります。
4. 長期的な薬物使用
- 利尿剤や下剤などの薬物を長期間使用することにより、体内の水分が不足し、陰虚が進行することがあります。
病理メカニズム
陰液の不足
- 陰虚により体内の水分や栄養が不足し、腸内が潤いを欠きます。このため、腸の内容物が乾燥し、便が硬くなり、腸内の動きも鈍くなります。
燥結の発生
- 陰虚により腸内の水分が十分に供給されず、燥結(乾燥による便秘)が形成されます。これが進行すると便が硬く、排便が困難になります。
腸の運行不良
- 陰液の不足により腸の動きが悪くなり、便が滞留して排便が不完全になります。
影響を受ける臓腑と症状
1. 大腸
- 陰虚が直接的に大腸に影響を与え、腸内の乾燥を引き起こして便秘を引き起こします。
2. 胃と脾
- 胃腸の陰液が不足すると、消化吸収が正常に行われず、腸内が乾燥しやすくなります。また、消化不良や食欲不振が見られることもあります。
3. 腎
- 腎の陰液が不足すると、全身の水分が不足し、腸内の乾燥をさらに悪化させます。
主な症状
- 便秘(特に便が乾燥して硬くなる)
- 腹部の膨満感(便秘により腹部が張る)
- 口渇感(陰液不足による乾き)
- 舌の状態:舌が紅く、乾燥し、舌苔が少ない
- 肌の乾燥(体内の潤い不足により皮膚が乾燥しやすい)
- 食欲不振(陰液不足により消化機能が低下)
- 疲れやすい(全体的な陰虚による体力の低下)
悪化条件
- 過度の乾燥した環境(空気の乾燥など)
- 過剰な飲酒やカフェインの摂取(陰液を消耗しやすい)
- 精神的ストレスや過労(陰液を消耗させる原因)
- 不規則な食事や不摂生な生活習慣(陰液を不足させる)
問診ポイント
1.便通の状態
(便が硬く、排便が困難か)
2.口渇感
(乾いた喉や口)
3.舌の状態
(紅色で乾燥し、舌苔が薄い)
4.食欲や消化の状態
(食欲不振や消化不良)
5.疲れやすさ
(体力の低下や倦怠感)
6.生活習慣
(過労、ストレス、飲食の不規則さ)
7.皮膚の乾燥
(乾燥肌やかさつき)
★まとめ
陰虚燥結が原因の腸燥便秘は、陰液不足による腸内の乾燥が原因で便秘が引き起こされます。
治療には、適切な漢方薬を用いて、陰液を補い、腸内を潤すことが重要です。
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