中医学「消渇証(しょうかっしょう)」は、現代医学の糖尿病に類似した疾患
「上消(口渇)」「中消(多食)」「下消(多尿)」の三型に分類されます。
陰虚・熱盛が根本原因
進行すると「気陰両虚」「陽虚」「瘀血」などの合併症を引き起こします。
目次
① 上消(肺熱津傷)
📌 病理・特徴
- 肺の津液が損傷し、口渇が顕著
 - 異常な多飲、口や舌が乾燥
 - 尿量が増えるが、まだ軽症
 - 舌紅・苔薄黄・脈数
 
📌 悪化条件
- 辛辣な食事・ストレス・長時間の乾燥環境
 
📌 問診のポイント
- 六淫(熱邪):発熱・口渇の有無
 - 陰虚の症状:喉の渇き、寝汗
 
② 中消(胃熱熾盛)
📌 病理・特徴
- 胃の熱が過剰となり、異常な食欲が出る
 - 多食・空腹感が強いが、痩せる
 - 便秘・口臭・尿が黄色く濃い
 - 舌紅・苔黄・脈滑数
 
📌 悪化条件
- 過食・脂っこい食事・ストレス
 
📌 問診のポイント
- 六淫(熱邪):食欲亢進・便秘
 - 陰虚 or 陽虚:熱感、冷えの有無
 
③ 下消(腎陰不足)
📌 病理・特徴
- 腎陰虚 → 津液が不足し、多尿・頻尿・尿糖陽性
 - 口渇・ほてり・腰膝のだるさ
 - 耳鳴り・疲労感・性機能低下
 - 舌紅・少苔・脈細数
 
📌 悪化条件
- 過労・夜更かし・ストレス
 
📌 問診のポイント
- 五臓(腎):腰膝のだるさ、耳鳴りの有無
 - 陰虚の症状:寝汗、ほてり、口渇
 
④ 気陰両虚(慢性期・糖尿病後期)
📌 病理・特徴
- 気虚+陰虚(全身の機能低下)
 - 疲れやすい・息切れ・手足のしびれ
 - 口渇・乾燥・食欲不振・皮膚の乾燥
 - 舌淡紅・脈細弱
 
📌 悪化条件
- 過労・慢性病・栄養不足
 
📌 問診のポイント
- 五臓(脾・肺):倦怠感、胃腸虚弱
 - 陽虚の症状:冷え、尿量の変化
 
⑤ 陽虚水停(糖尿病の後期合併症)
📌 病理・特徴
- 腎陽虚 → 代謝低下・むくみ・寒がり
 - 尿量減少・むくみ・倦怠感
 - 冷え・消化不良・下痢
 - 舌淡・苔白・脈沈遅
 
📌 悪化条件
- 冷え・慢性病・運動不足
 
📌 問診のポイント
- 五臓(腎・脾):冷え、むくみ、胃腸機能
 - 陽虚の症状:冷え性、排尿困難
 
☆ まとめ(型別と症状)
| タイプ | 主な症状 | 
| 上消(肺熱) | 口渇・多飲 | 
| 中消(胃熱) | 多食・痩せる・便秘 | 
| 下消(腎陰虚) | 多尿・頻尿・ほてり | 
| 気陰両虚 | 倦怠感・口渇・乾燥 | 
| 陽虚水停 | 冷え・むくみ・尿量減少 | 
👉 糖尿病は「陰虚」が中心だが、進行すると「気虚・陽虚・瘀血」にも注意!


			
			
			
			
			
			
			
			
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