目次
五臓「肝」と七情「怒」の関係
肝の生理機能
肝は以下の機能を持つ:
- 疏泄(そせつ) :「気の流れを調整し、情志(精神)を安定させる」
- 血蔵(けつぞう) :「血を貯蔵し、必要に応じて全身へ供給する」
- 主筋(しゅきん) :「筋肉・腱・靭帯の機能を支える」
肝の機能が正常→気血の流れがスムーズになり、筋肉や関節も柔軟で痛みが生じにくい。
七情「怒」と肝気鬱結
- 怒りやストレスが過度に続くと、肝の疏泄が阻害される(肝気鬱結)
- 気の流れが滞る(気滞)と、血流も悪くなる(血瘀)
- 筋肉・腱・靭帯への血流が不足し、腰痛が発生する
なぜ腰痛が起こるのか?(病理機序)
肝気鬱結 → 気滞による腰痛
- 肝気が滞ると、気血の巡りが悪くなり、腰部の筋肉が硬直する
- 痛みの特徴:「張るような痛み」「ストレスが強いと悪化」「ため息をつくと楽になる」
気滞が続くと → 瘀血(血瘀)による腰痛
- 気滞が続くと、血の流れも滞り「瘀血(おけつ)」が生じる
- 瘀血が腰部の経絡を阻害し、慢性的な刺すような痛みを引き起こす
- 痛みの特徴:「刺すような痛み」「夜間に悪化」「押すと痛む」
肝血不足 → 腰部の筋腱への栄養不足
- 肝が血を貯蔵する機能が低下すると、腰部の筋肉・腱・靭帯が栄養不足に
- これにより、腰のだるさや筋肉のけいれんが起こりやすくなる
- 痛みの特徴:「だるい痛み」「足がつる」「疲れると悪化」
証型別の主な症状
証型 | 主な症状 |
肝気鬱結型(気滞による腰痛) | 張る痛み・ストレスで悪化・ため息 |
肝気鬱結+血瘀型(瘀血による腰痛) | 刺すような痛み・夜悪化・押すと痛い |
肝血不足型(血虚による腰痛) | だるい痛み・筋肉のこわばり・こむら返り |
まとめ
怒りやストレス(七情の「怒」)は肝の疏泄を阻害し
気滞・血瘀・血虚を引き起こし腰痛につながる。
肝の気の巡りを整え、血流を改善することで、ストレス由来の腰痛は緩和できる。
ご相談お待ちしています。
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