適応症(補陽還五湯が用いられる主な疾病)
- 脳血管系:脳梗塞、脳出血後遺症、半身不随、言語障害、しびれ
- 神経系:顔面神経麻痺、手足のしびれ、坐骨神経痛
- 循環器系:動脈硬化、高血圧、心不全
- 運動器系:関節痛、リウマチ、腰痛、麻痺性疾患
- 泌尿生殖器系:インポテンツ、腎虚による頻尿・排尿障害
- 婦人科系:月経不順、更年期障害
用いる根拠(補陽還五湯が適応される理由)
補陽還五湯は「中風(脳卒中や神経麻痺の総称)」に対する代表的な方剤
補陽益気(陽気を補い気を増やす)
活血化瘀(血流を良くする)
通絡止痛(経絡の詰まりを解消)の作用を持ちます。
目次
補陽還五湯が適応される病態
- 気虚血瘀(ききょけつお) → 気が不足し、血流が滞る状態
- 中風(脳卒中後遺症) → 気虚による血行不良、麻痺やしびれを伴う状態
- 慢性的な虚弱・疼痛 → 気血不足による神経痛、関節痛、運動障害
例えば、「脳卒中後遺症」と「インポテンツ」は異なる病気ですが
どちらも気虚による血流不足という共通の病態を持っています。
そのため、同じ処方(補陽還五湯)が異なる病気に応用されるのです。
方剤の方意と各生薬の配合目的
方剤の方意
- 補陽益気(陽気を補い、気の力を強める)
- 活血化瘀(血の巡りを改善し、瘀血を取り除く)
- 通絡止痛(経絡の詰まりを解消し、しびれや痛みを和らげる)
各生薬の配合目的
生薬 | 目的 | 作用 |
黄耆(おうぎ) | 補気固表 | 気を補い、血行を促進 |
当帰(とうき) | 補血活血 | 血を補い、血流を良くする |
川芎(せんきゅう) | 活血行気 | 血の巡りを良くし、頭痛や冷えを改善 |
赤芍(せきしゃく) | 活血止痛 | 血流を促進し、痛みを和らげる |
地竜(じりゅう) | 通絡活血 | 経絡の詰まりを解消し、しびれや麻痺を改善 |
桃仁(とうにん) | 活血化瘀 | 瘀血を取り除き、血流を改善 |
紅花(こうか) | 活血化瘀 | 血行を促進し、瘀血を除去 |
まとめ
補陽還五湯は、「気虚血瘀」による病気に広く用いられ、異病同治の代表的な処方の一つ
✅ 気虚による血流不足が関与する神経疾患・循環器疾患・泌尿器疾患に適応
✅ 陽気を補い、血流を改善し、経絡を通じることで根本から治療する
ご相談お待ちしています。
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