不妊治療と漢方鍼灸
近年増えてきている不妊症。
実は東洋医学では、ご自身の体質や生活習慣(食事や睡眠の質、運動習慣や精神状態等)が妊娠に大きく関わっていることがわかっています。
インターネットが身近になり、情報を得ることはとても簡単になりました。
しかし、その中から自分にとっての必要な情報を正しく判断していくことはとても難しい部分でもあります。
流れてくる情報のままに闇雲に進んでいても、なかなか妊娠へと至らず、気づいた時には心も体もボロボロになってしまうということになりかねません。
大切なのは、今の自分の体質を知り、あなたに合った正しい道筋で、妊娠と、その先も見据えた身体づくりをしていくこと。
眞健堂は妊娠へ向けて、今のあなたには何が必要で、
また、
”妊娠力”について
妊娠力(妊娠しやすいかどうか)を考える上で大切になるのが、卵巣と子宮の力になります。
卵巣の力とは?
卵巣年齢は重量で見ることが出来ます。
20代~30代の卵巣は14gほどの重さがあり、40代になると重量は低下し、50代にもなると1/7程度にまで減少します。
また、閉経後の卵巣の血管は狭くなり、卵巣に供給される血液量は減少します。
このことから、卵巣年齢を若く保つためにもいかに血液を卵巣に届けられるかが大切になります。
子宮の力とは?
子宮は、受精卵の着床~出産までの大役を担っています。
着床の際に大切となるのが、内膜の感受性です。
受精卵は着床の際に子宮内膜へしっかりと潜り込むことで着床を成立させます。その際に内膜が硬かったり、厚さが十分でないと上手く潜り込めなかったり、潜り込めても定着出来ずに流産へつながってしまいます。
内膜の柔らかさや厚さを出していくには女性ホルモンが関係します。このホルモンがしっかりと作用するためには、ホルモンが血流に乗って必要量しっかりと子宮へ届くことが大切になります。
”骨盤力と腸の力”について
妊娠において子宮と卵巣がしっかりと働ける身体作りをしていくことが大切なことはお分かりいただけたかと思います。
さらに、この子宮や卵巣がしっかりと働けるように陰でサポートしているのが骨盤や腸(食べ物の消化吸収能力)なのです。
骨盤の力とは?
骨盤を構成している仙骨という骨は子宮と靱帯(紐のようなもの
)で繋がっています。
また骨盤の内側には子宮や卵巣へ血液を届ける動脈が通っています。骨盤のゆがみがある場合には、骨盤と靱帯で繋がっている子宮が引っ張られ、子宮自体がゆがむことが考えられます。
また近くを通る血管も本来の位置にいられないことでその部分で血流の阻害が起こり、先にある子宮や卵巣に届ける血液量が減少すると考えられます。
腸の力とは?
腸の力(消化吸収能力)はご自身が産まれてから今までに口にしてきたもので大きく左右されます。
今の時代は食べ物が豊富にあり、特に苦労することなく何でも好きなものを食べられる時代となりましたが、本来身体が必要とする量はおひとりおひとり違い、自分の体が必要とする量よりも多く食べている事が多いです。また、知らず知らずのうちに自分の体質に合っていないものを摂取していることも多いです。
卵巣や子宮が自身の力をしっかりと発揮し、それのみではなく胎児をお腹の中で健康に育て、出産後も授乳を出来るような体を作り、母子ともに身体を健康に育むための準備として、まずは口にする量や中身を見直すことが大切です。
妊娠しやすい体づくりって
具体的に何をするの?
骨盤内の血流改善
妊娠を考えた時、子宮と卵巣へいかに血液を届けるかが大切になってきます。そのためには骨盤内の血流改善が必要です。その方の体質に合わせてツボを選択し施術を行います。骨盤内の血流改善は妊娠にとって大切な体づくりへの第一歩に繋がります。
低温期や採卵時期に合わせた
血液量増加の施術
採卵や排卵に向けて卵巣への血流量を増加させる施術を行います。妊娠に必要なホルモンは血液にのって運ばれます。卵巣への血流を改善し、ホルモンバランスを整えることで、子宮や卵巣の機能を高め、卵胞の成長を助けることは、良質な卵子へと繋がります。
着床時期に
着床鍼を行う
受精卵の状態が良いにもかかわらず、着床が上手くいかない方達の多くに舌の震えがあるという研究結果をふまえ、その震えに対する施術を行い、着床率を改善する着床鍼を行います。
サンビーマー・サンマットの使用により、以下のような報告があがっています
- 卵巣年齢を若くすることは難しくも、良好胚数が増えて胚の質の改善された。
- ホルモンバランスが整い、生理不順が改善された。
- 全身の血流が良くなり、冷えが改善された。
- 薄い子宮内膜が改善され、着床率があがった。
- 子宮及び卵巣に好影響をおよぼし、反復不成功例(※)に対して、有効的であると示唆された。
- 血流を改善することによって母乳分泌を早期に促す可能性があると分かった。
※反復不成功例とは、胚移植を複数回しても着床に至らない症例のことを言います
サンビーマー・サンマット治療写真
不妊治療における鍼灸施術の流れ
- 施術は基本的に一週間に1回の来院を推奨しております。
- 施術時間はお着替えの時間を含んで、60分程です。
- 初回のみじっくり問診を行うので1時間30分程かかります。
- 効果が出るまでには年齢や体質、並行して行う治療法によって様々です。
- 妊娠は0か100かの世界になりますが、月経の様子の変化や月経前の体調などの変化、採卵数、着床率などへの効果が期待できます。
【お灸の宿題】
月経周期や治療内容にあわせたツボをお伝えしますので、ご自宅で可能な範囲で毎日お灸の宿題を行って頂きます。お灸に関しましては熱さがソフト・弱・中と選べます。また煙の少ないスモークレスタイプ、火を使わないお灸といった取り入れやすいお灸も取り揃えております。
【ご持参いただくと良いもの】
基礎体温表、クリニックでの血液検査の結果や、その他不妊治療における検査結果などをお持ちの方はご持参ください。
妊娠されたお客様の症例
漢方薬と鍼灸治療で4ヶ月で妊娠
34歳女性
自然妊娠ののち稽留流産となり、1年半ご自身でタイミングをとるも妊娠に至らず眞健堂へ来院されたAさん。
漢方薬と鍼灸治療の併用で4か月目でご妊娠されました。
この方は子宮の問題が大きかったため、子宮の血流を良くする施術を根気強く行いました。またご本人のご希望もあり、週に2回来院し、妊娠まで頑張って通ってくださいました。
お客様の無理のない範囲でのご来院スケジュールも、ご相談しながら決めさせていただきました。
卵巣の働く力を引き上げ、無事に妊娠
30歳女性
早発卵巣不全(AMH=0.1)のため長い間ピルにて月経をおこしてこられたBさん。不妊外来ではIVA(原子卵胞対外活性化法)を薦められるも、ふみきれず来院されました。
漢方と鍼灸治療を1年続け、IVAはすること無く、体外受精1度目の移植にて無事に着床をされました。この方は卵巣が働く力をもう一度引き上げてあげることが何より重要でした。ご遠方の方のため、漢方薬をしっかり飲んで頂き、食養生でなつめを召し上がっていただきました。
不妊治療を専門に経験を積んだ
女性鍼灸師兼薬剤師が
確かな技術でサポートいたします。
妊娠をしたいと思ったら1日でもはやく妊娠へたどりつきたいものです。
特に妊娠には年齢もかかわってくる分、時間との戦いでもあります。
私はそんな女性の悩みに寄り添いたいという想いから、
婦人科をメインに治療を行なっている薬局へ5年、鍼灸院へ1年半勤めてきました。
妊娠をする上で大切なポイントはいくつかあります。
そしてそれはお一人おひとり個別に考える必要があります。
目標にむけて最短の距離で進んで行くには正しく戦略をたて
しっかりと身体を整えていくことが必要です。
そしてまた、その先も見据えたメンテナンスを続けることがとても大切です。
私自身、妊娠を期に、心も体も大きく変わり、世界の見え方が変化しました。
それまでは主に仕事を通して自分の価値を感じていたのが、
自分自身に価値を感じるようになり、今までの自分では
感じられることのなかった幸せを感じられるようになりました。
妊娠をするということはそれだけ大変(大きく変わる)
妊娠という結果はもちろん大切ですが、
女性がひとり悩んでることに対しての治療の選択肢のひとつとして
漢方薬や鍼灸があるということを多くの方に知っていただき、
それぞれのタイミングで何かの不調が出てしまい悩んでる方が
もっと楽に楽しく人生を過ごしていけるよう、
心身ともにサポートさせていただきます。
薬剤師兼鍼灸師 代表取締役
田中 紗百合